講談社現代新書<br> 日米開戦と情報戦

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講談社現代新書
日米開戦と情報戦

  • 著者名:森山優【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 講談社(2016/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062883986

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内容説明

真珠湾攻撃から75年。戦争に至る不毛な現実を描く、決定版!1日に20通以上の外交暗号を解読しあう熾烈な日米英インテリジェンス戦争。ローズヴェルト、チャーチルら指導者が生の情報に触れることで強まる対日対決姿勢。松岡洋右外相に翻弄され、陸軍・海軍内の組織利害対立で指導力を発揮できない日本の中枢部――。エリートたちはなぜ最悪の決定を選んだのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

30
難解であったが中身は濃い。戦争はなぜ行われたのか?数多くの暗号解読ミスやすれ違い、忖度。過去を知っているからこそ、現代の私達は戦争は防げたと考える。私が知っていた戦争物資の獲得を目的に戦争に踏み切った。そんなに単純なことではない。落ち着いて考えてみれば戦争なんてしたくなかったと思う。真珠湾陰謀説も確実な根拠から否定される。アメリカは自分をうまくみせることが上手く、日本は下手と感じた。各国の複雑な事情が絡み合い、悲劇は繰り返してはならないが、簡単に日本が悪とは決められない。2019/07/26

masabi

23
【要旨】戦間期に日米英でいかに情報戦が行われ政策決定に活かされたかを丹念に追う。【感想】日米開戦のターニングポイントとなった南部仏印進駐と日米交渉を重点的に扱う。日本側の根拠薄弱な意思決定は知っていたけどもアメリカの政策決定も誤訳など不正確なものに頼っていたことを知った。歴史学の観点から情報戦の神話、陰謀論を打破するのも面白ければ各史料を総合的に解釈し結論を出す経緯も学問の王道のようだ。歴史を振り替えるとつい神の目で見てしまいがちだがフェアではないと思った。 2017/08/14

skunk_c

22
南仏印進出が在米資産凍結と禁油を招き、日米交渉が決裂していくまでの過程を、情報戦の観点から丁寧に記述した労作。外相時代の松岡が自らイニシアティヴを取るために策を弄したことが混乱を招いていく様子、政策決定者が暗号解読情報という誤解読を含む生の情報に触れたことによって、自分の都合のいい情報だけを利用していく様子などを克明に解き明かす。著者によれば日米開戦は日本の「両論併記」をアメリカが「誤読」する中、最悪のタイミングでそれらが噛み合ってしまった結果だという。生情報に触れていない幣原が結果を見抜いていたという。2016/12/13

横浜中華街2024

19
当時のインテリジェンス情報を基に南進政策、南部仏印進駐、日米交渉の決裂の内幕を詳細に解き明かしていく労作。英米だけでなく日本も通信傍受に成功しているが、お互いにバイアスゆえに相手の動向を誤解し続けて状況判断を行っているプロセスが興味深い。筆者はかなり能力のある学者という印象。次回作が楽しみ。「つまり最高機密である暗号解読情報に接した者たちは誤り、接することができなかった者たちが正しい判断をしたことにある。このことはインテリジェンスの利用と情勢判断に何が必要かを改めて問いかけている象徴的な事例と言えよう。」2017/01/20

ハイちん

17
日本はなぜ開戦に踏み切ったのか? その謎にインテリジェンス(情報戦)の切り口から迫っていこう、という本。ぼくのなかでは「世界恐慌が起き経済圏がブロックされた。孤立したドイツが他国を侵略し第二次大戦が始まった。同じく孤立していた日本はドイツと組んだ。英米は日本に厳しい経済制裁を課した。日本は英米に依存しない経済領域を構築するため開戦に踏み切った」というストーリーで理解していたけど実際はこんなに単純ではなく、たくさんの偶然が重なった結果の開戦だったようだ。情報リテラシー能力が高ければ戦争は起こらなかったのかも2017/02/19

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