岩波文庫<br> 貧乏物語

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岩波文庫
貧乏物語

  • 著者名:河上肇/大内兵衛
  • 価格 ¥726(本体¥660)
  • 岩波書店(2016/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784003313213

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内容説明

第一次世界大戦下の日本で,社会問題化しはじめた.「貧乏」の問題を直視した河上肇(一八七九―一九四六)は,なぜ多数の人が貧乏しているのか,そしていかにして貧乏を根治しうるかを古今東西の典籍を駆使しながら説き明かす,富者の奢侈廃止こそ貧乏退治の第一策であると.大正五年『大阪朝日新聞』に連載,大きな衝撃を与えた書.

目次

目  次

 いかに多数の人が貧乏しているか(上編)

 何ゆえに多数の人が貧乏しているか(中編)

 いかにして貧乏を根治しうべきか(下編)
   付録(ロイド・ジョージ)
   解  題……………大内兵衛
   追  記……………大内兵衛

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カブトムシ

26
私は、もう数十年の昔に、大学の指導教官に、卒業論文の指導で、二人の学者の全集を紹介してもらい、この河上肇の全集を借りることになりました。それは、もう一人の人は、教科書に出ていなくて、河上は、「貧乏物語」とともに記憶にあったからでした。1917年(大正6年)刊の「貧乏物語」は、第一次世界大戦後の経済を分析し、日本経済学史上に大きな意義をもつものでした。しかし貧乏の実情とその理由を説きながら、その根治策として奢侈(しゃし)をあげるにとどまるなど不十分なものでした。昔の本ですが、今の人にも参考になれば幸せです。

TomohikoYoshida

14
社会問題として、そして経済学として貧乏をテーマにした随筆である。時代は第一次世界大戦中、モノが豊富になく、日用品ですら高価であった時代の話である。また、著者は(おそらく)まだマルクスの資本論を読んでおらず、ここで書かれている解決策は今から考えるとピントが外れている。しかし、著者が「社会問題としての貧乏」に対してきちんと取り組んでいるその人柄に共感するのである。また、付録のロイド・ジョージについての随筆も、著者の敬愛ぶりがよく書かれていて、とても良かった。2020/01/07

かんがく

13
今月の古典。河上がマルクスに接近する前の経済論。貧乏人が多い!だからぜいたくをやめよう!!みたいな論で正直うーむという感じだが、当時の社会情勢とそれに対する著者のアツい気持ちは伝わってきた。2021/09/26

叛逆のくりぃむ

13
 青空文庫にて本書を通読。経済学の観点から社会的貧困の問題に切り込みながらもその解決策が富裕層による奢侈抑制という点には、櫛田民蔵でなくとも首を傾げたくなる。2016/08/03

まると

12
大内兵衛の解題によると、河上肇はこの本を書いた後、社会主義者として思想的転換をしており、この本が誤っていたことを自認していたようだ。金持ちの贅沢を廃止して、需要=生産は貧しい人の生活を支える側へとシフトすべきだとする結論は、経済規模が小さかった当時ならまだしも、成熟した資本主義社会には到底当てはまらない。しかし、需要があれば何でも許されるわけではない、経済は何でもかんでも自由競争にさらすべきではないという趣意は今にも通じるものがある。宇沢弘文先生の経済学的思想にも、それが受け継がれているように思う。2019/08/04

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