角川ソフィア文庫<br> 昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学

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角川ソフィア文庫
昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学

  • 著者名:古川のり子【著者】
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  • KADOKAWA(2016/09発売)
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  • ISBN:9784044000806

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内容説明

桃太郎はなぜ桃から生まれ、犬と猿と雉を味方につけたのか。
浦島太郎が玉手箱を開けて死ぬ定めにあるのはなぜか。
人間を喰らおうとする山姥の正体とは──。
誰もが知りながら、荒唐無稽で謎めいた昔ばなしの世界。
しかし多様な伝承の森に深く分け入り、古代神話や民間信仰に
その足跡をたどるとき、死と再生、性と笑い、
異界とこの世をめぐる共通の世界観が浮かび上がる。
現代人が忘れてしまった豊かな意味を取り戻すための神話学。
※本書は、山川出版社より二〇一三年に刊行された『昔ばなし あの世とこの世を結ぶ物語』に大幅に加筆修正し、改題して文庫化したものが底本です。


 【目次】

 はじめに
第一話 桃太郎――桃太郎はなぜ犬と猿と雉を連れていくのか
第二話 かちかち山――トリックスター、稲羽の素兎の末裔たち
第三話 花咲爺さん――お爺さんはなぜ犬の灰をまくのか
第四話 浦島太郎――分断された乙姫の玉手箱
 昔ばなしの論理を読み解く(1)
第五話 鬼の子小綱――笑いと性の力が春を呼ぶ
第六話 三枚の護符――便所はあの世の出入り口
第七話 蛇婿入り――苧環はなぜ蛇を退治するのか
第八話 蛇女房――無欲と貪欲の報酬
 昔ばなしの論理を読み解く(2)
第九話 産神問答――魂を掃き出す箒の力
第十話 ミソサザイは鳥の王――仁徳はいかにして聖帝になったか
第十一話 ホトトギスと兄弟――夜鳴く鳥の悲しい前世
第十二話 鉢かづき姫――顔を覆い隠す花嫁
第十三話 一寸法師――脱皮する少年たち
 おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

55
「70時間全文試し読みフェア」にて。桃太郎、カチカチ山、鶴女房など、誰もが知っている日本の昔話の根底にあるもの、その意味。大学の授業を思い出して、読みながらわくわくしてしまった。あの世とこの世とを繋ぐもの。昔の日本人の心の中に当たり前に存在していたものであり、今の私たちが忘れかけているもの。そんなものがたくさん詰まっていた。同じ話でも地域によって展開が変わっているところも興味深いし、今も残る行事や言い伝えに繋がりが見えるのも面白い。知っていることも中にはあったけれど、民俗学が好きな人はきっと楽しめる本。2018/12/02

あんこ

15
この手の話は大好きなのでとても興味深く読めた。桃太郎の桃は、まあ縁起のよい果物なんだろうな、きび団子は名物なのかしらぐらいに思ってたけど、知ってみると奥が深くて驚いた。神話につながるのはもちろん、縄文時代からの信仰が残ってるとか、すごいよね。しみじみ、繋がってるんだなあとうれしくなった。2018/12/02

風花

14
こういうお話、大好きです。特に興味深かったのが、①花咲爺さん、瓜子姫、桃太郎、鼠浄土(おむすびころりん)、浦島太郎が、同じ軸を中心とした連続と変化の物語という話。②浦島太郎と同じ系譜の、アメリカ先住民に伝わる話が複数あること。③鳥を題材にした昔ばなしの豊富さ。でした。どのお話も古事記や古の山岳信仰・民族信仰との関連性をもち、昔ばなしが単なる教訓ではなく、人と神、この世とあの世、生と死をつなぎ、信仰心を伝える役割を担っていたことがわかります。2017/06/19

HMax

13
昔話に潜む神話の世界、非常に興味深く楽しめたのですが、日本の神話をあまり知らないので、ネットで調べるのに時間がかかってしまいました。大国主命は何度も殺されて、艱難辛苦を乗り越えて、地上の神になられたんですね。戦前の世代は神話を知っていたので、昔話の楽しみ方も今とは違っていたんでしょうね。ギリシア神話のミネルバのフクロウはしっていても、昔話のミソサザイとフクロウの話は知りませんでした。これからは、知性の話をするときにミソサザイを使おうかな。どれだけの人ががミソサザイを知っているかな?2017/03/20

nemunomori

10
取り上げる昔話が盛り沢山で楽しめる。やや引用が多くオリジナリティに乏しいのが残念。だが引用文献の紹介がとても丁寧なので、ここから民話を学び始めるテキストとして好著だと思う。2017/03/17

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