山と溪谷社<br> ヤマケイ新書 御嶽山噴火 生還者の証言

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山と溪谷社
ヤマケイ新書 御嶽山噴火 生還者の証言

  • 著者名:小川さゆり
  • 価格 ¥774(本体¥704)
  • 山と溪谷社(2016/09発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635510363

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内容説明

頂上直下で被災した山岳ガイドが綴る、懸命の脱出行とそこから得られた教訓、そして、伝えることの大切さ。

御嶽山大噴火の生還者で山岳ガイド 小川さゆり氏が、噴火の模様を時系列で克明に記したドキュメントとその後の検証、得られた教訓などを中心にして執筆。 噴火から丸2年、3年目を迎えて、あの御嶽山噴火を多角的に検証した貴重なノンフィクション。

2014年9月27日午前11時52分、御嶽山が突然、大噴火した。9月最後の土曜日、素晴らしい好天と絶好の紅葉シーズン、そして大勢の登山者でにぎわう昼どきの最もゆったりした時間帯での突然の大噴火だった。死者58人、現在も5人の行方不明者を出している戦後最悪の事故となってしまった。
頂上直下で被災した山岳ガイドの小川さゆり氏もそのひとりで、わずかな時間のすきをついての懸命の脱出だった。

その事故からまる2年、彼女はその後も機会があるごとに、講演会などで悲惨な噴火の状況をを報告しながら、いまだにあの事故はなんだったのか、自らに問いかけ続けている。
本書は、同じ境遇に立たされた生還者たちの証言を交えながら、時系列で噴火の詳細を追った第1章「運命の一日」、専門家の考察を交えながら、客観的な視点からあの御嶽山の噴火に迫った第2章「噴火の実態」、捜索と報道、生存者と遺族の心の葛藤などを描いた第3章「噴火の影響」、そして生死の境を分けた現実や、登山者の意識などを考察した第4章「噴火の教訓」などからなるノンフィクションである。

噴火を風化させないためにも、事故のすべての顛末を明らかにしようと試みた渾身の一冊となっている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

M

122
山岳ガイドである著者が下見の為に単独入山していて、あの噴火に遭遇。被災当事者かつ専門家ならではの、今後に伝承し続けたい「教訓」を切に書かれている。著者の被災した状況はまさに九死に一生を得たもので、生死が紙一重の過酷な中でいかに「命を守る行動」に徹したか。生きて帰るために何が必要なのか。「運が良かった」だけでは成し得ない「危機意識」の重要さをタフに説いている。登山をする方には必読の本。2016/12/25

キムチ27

57
下見だけで登山者として登った筆者、主観にポイントを置いた語り口。失礼ながら1~4章を経てスタンスや思いが変化していくのが逆に生々しく伝わる。報道に批判的口調になるのはやむを得ない~日本の報道は言語的教訓を伝達するのは不得手と言い切っている。我々が日常接するTV や新聞。雑誌インタビューでも「そこだけ切り取って」いう内容がいかに真実を捻じ曲げるか知る人は知っている。山をやらない人には臨場感が伝わってこないだろうけれど、その危機の現場で正常性バイアス=逃げ遅れの心理がどう働くかの説明はよく解る。2017/06/02

hatayan

54
2014年の御嶽山噴火の現場に居合わせ、奇跡的に生還した登山ガイドが2年後に教訓を記す一冊。噴火直後の噴煙にカメラを向ける登山者の写真があまりに突然の災害だったことを残酷に物語ります。 著者が生き残ったのは、とっさの判断と行動で死の影を振り切り、たまたま運が味方をしたからだったといいます。苦い思いを繰り返し反省することで危機を正しく認識できる能力が身につく。自然に踏み込むときは自己責任という強い意識と覚悟を持ちたい。 犠牲者や遺族に配慮しながら、あの場に居合わせた者にしか語れないことを伝えようとします。2020/02/26

♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤

51
御嶽山噴火の生存者の1人である著者が、生かされた自分にできることは、命を落とされた登山者の見た噴火の恐怖と、残していただいた教訓を伝えることだという。「危険に対する意識を変える」「正しく知り、正しく恐れる」「命がけであっても、命をかけてはいけない」「自分の命が守れなければ、人の命はまもれない」などが印象に残った言葉。2019/07/14

goro@80.7

50
「運」が良かった、悪かっただけでは済ませてはいけないと著者自身があの場所で遭遇した惨事を綴りながら減災へどうしたら良いのかと提言もあり、とても考えさせられました。非日常の世界へ自分から進んで行くのだから自分の命は自分で守る必要がある。装備も大切だが意識が重要と説いてます。また覚悟もどこかに必要なんだろうなと思う。生きて帰る覚悟がね。亡くなられた登山者の方々に合掌。もうすぐ2年が経ちます。2016/09/21

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