内容説明
時代劇や時代小説でよく取り上げられる参勤交代。その実態はどのようなものだったのか？ 殿様急死、刃傷沙汰、借金取り立てなど、意外と知られていない参勤交代の実像を通して、大名の実生活を解き明かします。時代劇や時代小説がより楽しめるようになる一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
62
形式的には中央集権国家でなかった江戸時代だが、参勤交代を通じて実質的には諸大名が幕府に従属するようになっていった事情が理解できる。領地と江戸を往復するため多額の費用を使わせ、官位や石高で他藩との競争意識を強め、家臣が江戸屋敷で生活するため地元の収入を江戸で消費させてお膝元の経済を潤す。これだけ金がなくメンツ最優先の社会が二百年も続けば、戦乱が相次いだ鎌倉や室町期に比べ太平の世を謳歌したのも当然か。さらに江戸とのルートが成立したことで人と情報が往復したことで、現代に通じる日本人意識が成立したと言えるだろう。2021/05/15
樋口佳之
37
unlimitedで読む参勤交代のお話。政策的意図とか歴史上の意味とか色々思いながら読みました。もし参勤交代がなかったら江戸時代の様相全然違ったものになったろうし、明治新政府後の急速な統一国家建設も無かったかもと想像しました。2021/04/07
スプリント
11
たまたまDVDで超高速！参勤交代を見たので本書を手にとりました。 大名行列は国元を出るときと江戸に入るときだけなんですね。 目からウロコの情報が盛り沢山でした。 2016/10/30
デジ姫
8
外様と譜代大名では出立の月が違うこと、登城の際は献上品する、更に御台所、世継ぎ、老中や将軍側近にも金品配りと何と出費の多かったことか。余談ですが我が久留米藩主も参勤交代中の船の上で小姓兄弟から殺害されている。どのように対処したのか気にかかる。 土橋章宏著 「超高速!参勤交代」 「引っ越し大名三千里」も読むと面白み倍増。2016/10/21
hakka4me
3
誰もが知っている参勤交代。しかし意外に知らないその中身と実態。それを読みやすい文章で説明している。 具体的な事象を間に挟み、成立と終焉の章でサンドイッチしているため、これ一冊で概要が分かるようになっている。専門家よりも一般向け。2016/09/28
