昭和天皇は何と戦っていたのか 『実録』で読む87年の生涯

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昭和天皇は何と戦っていたのか 『実録』で読む87年の生涯

  • 著者名:井上亮【著】
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • 小学館(2016/07発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784093897662

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内容説明

昭和天皇の87年の生涯を「追体験」できる。

宮内庁が24年余りの歳月をかけて作成した全61巻、1万2137ページ。そんな一大歴史資料「昭和天皇実録」を丹念に読み込んだ著者は、ダイアリー(日記)方式で87年8ヶ月の生涯を綴ります。

そこには、コップに水滴が一滴ずつたまるがごとく、日本が「戦争」に歩む姿が描かれています。21世紀の我々が昭和天皇の喜び、怒り、悲しみ、苦悩を知ることは、「激動の20世紀」を“追体験”することにほかなりません。

――2019年3月完結予定の『実録』が、この一冊ですべて学べます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かいゆう

35
何と酷な人生を歩んできたことか。戦争の責任を一番負わないといけないのは昭和天皇なのではないかとずっと思っていた。決定したのは天皇だろうと。しかし勝手な振る舞いを続ける軍(特に陸軍)に対し、天皇は満州での拡大侵略や米国との開戦を阻止しようと何度も試みていた。重要な事は御前会議で天皇が最終決断したと思っていたが、天皇は発言しない慣例らしい。25歳で即位し、自身の娘も亡くし、何人もの側近を亡くした事で、クーデターの脅威が大きくのしかかったのか。歯止めの効かない様子に読んでいて胃が痛む思いだった2016/10/04

小鈴

25
戦後は常に戦争責任を問われる人生であった。終戦直後は米国も天皇の罪は免責、天皇自身も皇太子が小さいこと、摂政を行う親族も軍関係者のため天皇の責務を追うわけだが、それは降りることのできない苦しみを抱えることを決めた、ということだと思った。まぁ皇室典範の改正で退位はできないが。また、占領期は天皇が安全保障について関与していたことには驚く。天皇と新政府の安保観にはズレがあり、米軍駐留を望む天皇は吉田首相の頭越しに交渉を試みる。権力の空白期間だからこその政治行為。吉田の外交では心配だった模様。2016/06/22

小鈴

23
昭和天皇実録を基に著者が編集した昭和天皇史。孤独な子ども時代(親とは別居、皇太子就任後11歳で兄弟とも別居)を見るに話ベタなのは子育てに問題があったのではと思ってしまう。皇太子になると、土曜日の兄弟との遊びが唯一の慰めの中、土曜日に仕事を入れられて泣きじゃくる(結果、仕事の日取り変更)、これじゃ虐待に近い。23歳で結婚、皇太子が産まれるまで9年かかり、側室の話もでるが断固拒否、養子は可能かを相談される。。。ついに皇太子が産まれてサイレン二回が鳴り響く。女子の場合は一回。2016/06/22

小鈴

19
天皇就任後は手に汗を握る展開で気を休めることができない。張作霖爆殺事件以降は、この後の結果を知っているため、各タイミングでもう少し違う判断をしていればとツッコミまくるが、実際に自分が当事者だったら騒ぎすぎて幽閉され、逆に軍事クーデターが成功してしまうかも(笑)。天皇の考えに近い協調派がテロで死に、戦争へ歯止めが効かず。太平洋戦争開始がほぼ確定の時点で、戦争終結のためローマ法王仲介は可能かを探る。政府要人で終結まで考えた人はいただろうか。驚き。止められない流れに、なんとか竿差したいが。。。破滅に向かう。2016/06/22

大阪のきんちゃん2

6
「昭和天皇実録」が順次刊行されているが、実際に読んでみると膨大な量で読みこなすのは難儀であり、何か解説本をとこれまた続々と出版されている本の中で、これが今のところ内容的にも分量的にも一番自分に合った一冊だった。天皇の心情は如何ばかりであったろうか・・・2017/01/31

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