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内容説明
「武器輸出三原則」が見直された。防衛省は法令を検討するなど前のめりだが、防衛企業は足踏みのところも多い。技術流出のリスク、見えない敵への恐れ、ビジネスとしての旨み……知られざる現状をレポートする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
川越読書旅団
46
1967年佐藤栄作首相、76年の三木武夫首相により表明された武器輸出を制限する政府統一見解「武器輸出三原則」。そして2014年、第二次安倍晋三内閣の下で抜本的な改悪が行われていた、「武器輸出の解禁」という、、、。どうやらこの国は着々と戦争を迎合する国へと変容しているようだ、、、。2016/08/16
AICHAN
34
図書館本。「武器輸出三原則等」により以前の政府は武器輸出に慎重な態度を取ってきた。しかし、自民党防衛族や経団連に属する防衛企業は武器輸出の解禁を強く要望し、政財官が一体となった地ならしが進み、民主党野田政権のとき武器輸出を大幅に緩和する方針が決まり、次の第二次安倍政権によって、一定の条件のもとで武器を原則輸出できる「防衛装備移転三原則」が閣議決定された。これにより三菱重工や富士通といった軍需企業だけでなく、防衛装備に利用できる技術を持った多くの企業が積極的に動き出した…。異様な国になってきたと私は感じる。2016/10/03
サトシ@朝練ファイト
28
東京新聞の望月記者と言えば菅官房長官とのやり取りで一躍有名になった方だが、本を書かれている事を知りもちろん手に取る。92年の宮沢内閣時代に史上最大規模の公共投資(カンフル剤)を行うが効果なく小さい声でチラホラ聞こえてきたのが防衛産業だ。本書はよく調べられており誰が読まれても武器・兵器に関わる諸問題を見出せると思う。しかしながら、やや主題がボケている印象を受ける。それから、グローバルホーク3機で1000億円と書かれているが、今現在の価格は全て込みで2300億円以上と言われている。この世界は闇ですぞ!2017/07/04
はる
26
第二次世界大戦の反省からの武器輸出の三原則だが、2014年頃から変わってきている。企業や大学にも働きかけているが、企業は国の指示ならば官民区別することはできずにただ従うしかない。しかし、密かに取材に応じてくれた方は正直やりたいわけではないという。大学でも反対勢力があり揉めている様子。機密情報の流出阻止の為にアメリカのように国が買い上げてから販売する仕組みが必要だが、日本では企業任せ。機密流出は免れそうになくい。自分が関わった武器で人が亡くなることもあると思うと政府はきちんと取り組んでいるのか怒りが湧く。2020/02/11
mj
24
2011年、武器輸出三原則が見直され、武器輸出解禁。しかし、イメージの悪化や技術流出に懸念を持つ多くの企業が輸出に消極的。技術流出対策(ブラックボックス化など)が整っていない。つまり、解禁はしたものの、対策は後手にまわっている。防衛省が助成する大学、研究機構による研究の、軍事転用への「危険」について、等々。あどがきで「軍備拡張につながる武器輸出を推し進め、企業や研究者を巻き込む必要があるのか」と問うている。申し訳程度の軍備しか持たない我が国の軍備拡張を推し進めナイならその理由は、その意義はなに?2018/05/31