内容説明
「犯罪だって一般の消費者選択理論と同じ」。連続殺人事件の特捜本部に乗り込んだ行動経済学者の捜査に、誰もがあっけに取られた。被害者女性たちの自宅から足跡や血痕が発見されたのに解決の糸口すら見つからない難事件を、経済学で独自の容疑者を割り出したというのだ。まったく新しい知的警察小説の快作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つたもみじ
32
行動経済学を駆使して容疑者を割り出す、経済学者の伏見。起きた犯罪の結果、一番得をするのは誰か…という点から容疑者を絞っていく。経済学、行動経済学の講義も楽しめた。カウンセラーや愛人、虐待されていた大人びた双子等、ありきたりな材料が揃っているのに着眼点が違うだけで新しく感じる。読者視点だと全ての情報が開示された状態なので事件の様相はわかりやすい。けど、いかんでしょ。麻耶の行動は許されないでしょ。なんで事件解決に役立ったとかいうメデタシメデタシみたいなラストなのか。容疑者への安易な情報漏洩ダメ絶対。2018/02/21
ち~
26
一向に犯人逮捕に辿り着けない連続殺人事件に派遣された、経済学者・伏見。経済学からのアプローチという独自の視点での捜査、同じく派遣された心理分析官との対立、プロローグがどう活かされるのか。気になる要素が多くて、新鮮な読み応えがあった。ただ、今回伏見とペアを組まされた刑事がイジイジし過ぎ、せっかく掴んだヒントを全く活かせてなさ過ぎと、かなりイラッとさせられた。ちょっと変人な伏見がおもしろいので、シリーズ追いたいと思います!2023/04/02
coco夏ko10角
23
シリーズ第1弾。殺人事件の捜査に経済学を活用というのが珍しくて面白い。摩耶は落ち込んだり刑事を辞めようか悩んだりするけど、カウンセラーに通うきっかけになった件の直後に自分だったら辞めてるな。そのまま続けてる摩耶はメンタル強い。2020/09/07
あっちゃん
23
連続女性殺人事件、タイトルや表紙からして主役は彼かと思いきや、自分に自信の無い女刑事目線で進む展開!経済学者さんは、何を考えてるのか分からん変り者でいかにも探偵役向き(笑)少し気難しかった部分もあったけど、宝くじの話は成る程と思った!まぁ、ミステリ的には読めるオチだったけど、シリーズらしいので追いますか(  ̄▽ ̄)2016/11/20
めりた@かりた
16
結構好きな種類のお話のはずだったんですが、麻耶ちゃんがダメでした。違う作家さんの時にも思ったことなんですが、どうも私は職業倫理ってのに物凄いこだわりがあるみたいなんですね。特に刑事さんに対してですけどね。自分の意見が言えないのは仕方ないとしても、行動の報告もしないなんてダメでしょう。しかも勝手に拗ねた挙げ句とか…まあ最後までは読めたからそれなりに面白かったんですけどね。双子ちゃんがとっても可哀想でした(泣)2016/09/25