ウォール街のアルゴリズム戦争

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ウォール街のアルゴリズム戦争

  • 著者名:スコット・パタースン【著】/永野直美【訳】
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 日経BP(2016/07発売)
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  • ISBN:9784822251079

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内容説明

著者スコット・パタースンの日本語版への序文から(抜粋)
二〇一二年に本書が米国とヨーロッパで出版されたとき、この話を信じる者は少なかった。何百年もの間、営業を続けてきた権威あるニューヨーク証券取引所のような公開市場に対して、ちっぽけな企業が影響力を行使できるものだろうか? 批評家たちは、混雑する立会場上で大振りな手信号で合図する慌ただしいトレーダーがいた古い取引所が既に存在しないことに気づいていなかった。新しい市場は、ニューヨークの忙しい大通りから遠く離れたニュージャージー州郊外にある巨大なサーバー・ファームからなっていた。

 コンピュータが主導する市場は、こうした理由から全く新たなレベルの開示基準を求められる。規制当局は、素早く追いつかなければならず、取引所と高速トレーダーの仕組みを理解しなくてはならない。さもないと、このゲームは続き、定年後のために働く一般投資家が損をすることになる。
 一つ明らかなのは世界が前進するということであり、取引所は電子化され、コンピュータ主導になるということだ。ロマンチックなイメージではあっても立会場で手を振るトレーダーの日々に回帰することはない。この変化には優れた面もある。以前より安く取引ができ、全般的により効率的だ。
 だが、恐ろしく賢いプログラマーによって設計された非常に複雑なコンピュータ・アルゴリズムに制御され、取引所は遥かに不透明でもある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shin

15
株式取引なんぞにはとんと疎い人間なのだが、この本に描かれている「戦争」の凄まじさは理解できる。多くの技術がそうであるように、当初の意図とは異なる方向へ用いられ、往々にして目を覆いたくなるような状況を作り出してしまう。株式取引の電子化、それに伴う既得権益の切り崩しは、あっという間に高頻度取引という醜い(としか言いようがない)概念を導き出してしまった。資本主義もへったくれもない、このハルマゲドン状態に救いはあるのだろうか。人工知能が行き着く先に、あまり良い未来を想像できないのは悲観的に過ぎるだろうか。2016/04/14

NORI

6
株式取引の電子化、アルゴリズムでの取引云々の歴史が幅広く綴られている1冊です!難しい言葉が多くて理解するには程遠かったですが、面白かったのでまた読みたいと思います!!2016/07/29

kazissho

6
20年に渡って繰り広げられてきたアメリカ証券市場の舞台裏で起こっていたことが描かれている。 ジョシュ・レヴィンというプログラマの存在を初めて知ったが、彼が業界を去ってから語った「無用な問題に取り組んでいる賢い人々を全員配置転換したらたぶん一年でがんの治療法を探せるに違いない」という言葉が印象的だ。 今も動き続けているというレヴィンが創った「アイランド」はHFTに台頭される負の面を生んでしまったが、市場構造を良い方向にも変えてきたことは間違いない。 今後は本来あるべき姿に向け改善が進むことを期待する。2016/02/26

人生ゴルディアス

5
『フラッシュ・ボーイズ』のより詳しい版だなと思ってたら解説に同じこと書いてあった。株系の掲示板とかツイッター見ると、二言目にはアルゴアルゴと騒いでるが、本書を見るとアルゴは本当にいるんだろうけど、人力個人投資家がその存在感じ取れるのかなあと疑問。自分は自分の注文が約定しないとか感じたことない。なにはともあれアーキペラゴとか単語だけは何となく知ってたものに詳しい解説がついて何より。技術的な解説はあまりなく、高頻度取引の市場とそれを作り出した人の物語。メイカー・テイカー制度も一応理由があったのね。2018/07/15

gokuri

4
実録かと思うとそのすさまじにはただあっけにとられる。天才の物語だと思うと感心することばかりだが、欲望を追うものたちの物語と読むと、本当に人間の尽きない欲望にうんざるする。ギャンブルは常に、胴元が儲かるようにできているが、市場も市場を運営するものが設ける仕組みなのか。 速度を争う多ために、サーバーの近くの場所を貸し出すという発想にも驚いた。2016/02/11

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