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内容説明
辛亥革命はなぜ成功したのか? 共産党の長征はなぜ可能だったか? トウ小平、朱徳、葉剣英など、多くの革命家を生み、中国を支配する客家の「血のネットワーク」。太平天国からニクソン訪中、華南経済圏まで、宋代文化を現在に残す少数民族に、もうひとつの中国史を読む。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とんこつ
8
かつては黄河流域の中原に住んでいた客家。度重なる争いのなかで、故郷を終われ福建を中心とする南方中国の山岳部に移り住んだ。迫害の歴史が作った客家同士での連帯感の強さ(閉鎖性)は、土楼の造りや、古い中原の名残りがある言語といった、彼らの文化にも投影されている。高い適応力を持つ客家は、かつては海を越え、ボルネオ島で国をも建てたというのには驚いた。改革開放とITの成功で語られることの多い華南経済の発展についても、海外客家たちの故郷への投資に支えられていたという視点は興味深い。2021/09/14
ののまる
4
客家を知らずして、中華圏や、さらには世界の動きが分かるわけがない…のだが、もうすごいわ。「東洋のユダヤ人」と言われるが、もっと謎に満ちている。発行年的に天安門事件直後ぐらいで止まってるので、今も知りたい。2023/08/26
ManCheeFMW
3
眠れないので再読。以前読了したン10年前よりも身近な話になっているので、90年代史としてものすごく脳に入ったし脳内の諸情報と音を立てて繋がる体験ができたのが新しい発見。2019/08/06
かずら
3
中国の漢民族の一派、客家について。これはファンタジーかと思うくらい、想像とは違った話だった。血縁を基礎としながらも、積極的に外に出て、大きなネットワークを作り出す客家。その壮大なありようは非常に驚いた。反面血縁のみを信じる客家は他の国の感覚とはズレていて、どういう風に付き合うべきなのかは今後の課題だ。ちょっと客家を美化してるような気がしたけど、面白い本だった。2013/06/04
卓也
2
地縁・血縁を利用して、海外にネットワークを形成し、中国国内の政治経済にも大きな影響を与えてきた客家人。やや強さが誇張された印象もあるが、華南経済圏の大発展に寄与したのは確実だろう。2019/01/19