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内容説明
一極集中が加速する一千万都市・東京.もしもそこにM7の大地震が襲いかかったら…….東京付近の地下で発生し,市民の生命・身体・財産をはじめ,政治・経済・ビジネスに大きな損害を与えうる首都直下地震.巨大都市の弱点を一撃で突くこの地震は,どのような被害と災害をもたらすのか.地震学からの最新の知見を紹介する.
目次
目 次
はじめに
第1章 首都直下地震とは何か
1 地震の分類
2 大都市を襲う地震
3 どんな地震が起きるのか
第2章 予想される被害
1 なぜ被害が発生するのか
2 なぜ被害を想定するのか
3 内閣府の被害想定(二〇〇四/二〇〇五年)
4 東京都の被害想定(二〇一二年)
5 内閣府の被害想定(二〇一三年)
第3章 震源はどこになる?
1 複雑な南関東の地下構造
2 活断層で起きる関東の内陸地震
3 プレート境界の関東地震
4 プレート内部での地震
5 超巨大地震の影響
第4章 予知は可能なのか?
1 内陸の地震の予知・予測
2 不規則な地震
3 「三〇年以内、七〇%」の意味
終 章 首都圏を守るために
1 災害の危険性の大きな首都圏
2 耐震化と出火対策
3 帰宅困難者への対策
4 災害からの回復
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるわか
13
東京都心や北関東に向かう地震波は、おもに太平洋プレートの中を通って伝わる。太平洋プレートは地震波をよく伝える性質を持つ。東京二十三区を中心とする関東一円は日本列島の中でもとくに揺れやすい地域。震源:活断層、プレート境界、プレート内部。ゆっくり滑りとアスペリティ破壊。1755年リスボン地震、1908年メッシーナ地震。2016/04/17
shimashimaon
9
元旦の地震の報に驚きました。防災カメラのリアルタイム映像はトラウマになりそうなほどです。被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。地震のメカニズムが科学的に解明されるようになってから日はまだ浅く、わからないことがたくさんある。しかし確実に首都直下地震に見舞われる未来は待ち構えている。私たちにできることは自分で自分の身を守れるようにすること。冒頭ヴォルテール『リスボン大地震に寄せる詩』に言及して私たちを刮目させます。山口周氏がnoteで『カンディード』に言及したのも同じ思いがあったからかもしれません。2024/01/12
浅香山三郎
9
首都直下地震の想定やその発生のメカニズムを述べるが、前に読んだ『南海トラフ地震』と同じく、今の地震研究の進展や考え方、防災の入門としても読める。とくに、第四章と終章が参考になる。 『南海トラフ地震』と本書に望むらくは、索引があればなおよかつた。さうすれば、今の熊本での地震に関する新聞記事では、説明不足(ないしはこちらの理解不足)の言葉の意味などをカバーできるのかも知れない。2016/04/22
ikedama99
7
首都圏の想定される直下地震とそれに伴う災害についての分析だが、読みやすくはない。でも終章の「首都圏を守るために」だけでも読むべきかも。人口が過密な状態での対策は難しいと感じた。2017/02/09
Kentaro
6
一極集中が加速する一千万都市東京でマグニチュード7の大地震が襲ったらどうなるのか。 もし東京付近の地下で発生し、市民の生命、身体、財産はどうなってしまうのか、そうした不安を背に受けて地震学者が地震予知をすることは可能なのかといった話を解説しています。 非常に細かく過去の大地震の例、滑りによる前兆認識、周期等による予知の試みは長年続けられてきましたが、結論は大地震がいつ来るかはわからない。 だから、地震がいつ来てもおかしくないつもりで対策を打ちましょうと言っています。2018/05/07