集英社文庫<br> 女優

個数:1
紙書籍版価格
¥924
  • 電子書籍
  • Reader

集英社文庫
女優

  • 著者名:渡辺淳一【著】
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 集英社(2016/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087451894

ファイル: /

内容説明

【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】師の坪内逍遙たちと、日本に新劇の運動を起こした早稲田大学教授・島村抱月。彼らがはじめた演劇学校の一期生に合格した松井須磨子。彼によって内に秘めた非凡な才能を見出された彼女は、カチューシャを演じ、ノラを演じるごとに見紛うほど美しい女優へと化身していく。二人の間には愛が芽生え…。近代演劇の夜明け、スキャンダルな愛に一途に燃えた抱月と須磨子を描いた著者入魂の長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaoriction@感想は気まぐれに

19
ザ・女優。魔性の女。その死をもってして、松井須磨子は伝説の、語り継がれる「女優」となったのかもしれない。抱月には個人的にゲス・オブ・ザ・イヤーを進呈いたそう。この後に与謝野鉄幹の生涯を読むので、覆される可能性はあるが。二人の幼稚でヘドが出そうなほどの「ラブ」を私は納得できないが、少なからず理解は出来る。理解は出来るが肯定はしない。作者の主観が見え隠れし(特に終盤の籍を入れる云々)「何を言ってるんだジジイ!」と言いたくなった。抱月と周りの男達を翻弄し続けた須磨子。死を選ぶに至った心情をもう少し読みたかった。2017/09/03

カピバラ

18
女優、須磨子と演出家、抱月との物語。須磨子は、我儘で吝嗇家で鼻持ちならないイヤな女だが、人々を引きつけてならないカリスマ性があったんだろう。女として年をとってくると、抱月の正妻の立場で物語を読んでしまい、鬱々した気分になってしまった。天才は周りを巻き込む大きな力をもつんだろうなぁ。いい意味でも、悪い意味でも。2014/07/14

ちゃま坊

11
明治から大正に変わるころ、100年前のスペイン風邪大流行がキーワード。新劇女優の松井須磨子と早稲田大学教授で演劇人の島村抱月の不倫物語。さほど美人ではなく、美容整形手術もしているが、男を何人も狂わせた魔性の女。島村抱月は須磨子からスペイン風邪をうつされ命を落とすが、そのとき生き残った須磨子も最期は悲しい2020/03/14

ながのゆうこ

7
日本初の女優松井須磨子は女優としても天才だけど男を落とすのも天才的というか、どんなに我儘で吝嗇であってもそれを上回る魅力があったのでしょう。早稲田大学の教授であった島村抱月が須磨子に食われていくようではらはらしましたが演劇を広めるという野望を静にひたむきに実現した男らしい人でもありました。同士でもあり愛人でもあった二人、一緒でなければ生きていけなかったのですね。演劇界の成り立ちがよく分かる内容でした。2017/04/29

あいくん

2
☆☆☆日本最初の女優の松井須磨子と演出家の島村抱月の愛を描いた伝記的作品です。日本の近代演劇の黎明期を分かりやすく描いています。須磨子の傲慢で吝嗇なところと抱月の弱いところを掘り下げています。抱月に棄てられた妻子の立場に立って読むと何とも言えないところがあります。「人形の家」「マクベス」「クレオパトラ」「ハムレット」「ジュリアスシーザー」「サロメ」「アンナ・カレーニナ」などがこの時代に上演されていたことがわかります。演劇で食べていけない時代の演劇人の熱意と苦労がよく描かれています。2014/12/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8065428
  • ご注意事項