新装版 窓

個数:1
紙書籍版価格
¥748
  • 電子書籍
  • Reader

新装版 窓

  • 著者名:乃南アサ【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 講談社(2016/02発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062933063

ファイル: /

内容説明

高校三年になった麻里子は、将来への不安からか周囲との隔たりに苛立ちを隠せない。そんな折に起きた「毒入りジュース事件」の容疑者が同じ聴覚に障害のある少年だと知り、麻里子は自らの思いを重ねて彼に会いに行くが、彼女を拒絶する厳しい言葉に衝撃を受ける……。少女のひたむきさが胸に迫る傑作長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kei302

54
犯罪小説『鍵』の続編。こちらのほうが完成度が高い。 耳の聞こえない麻里子が自分の気持ちを言い表す言葉「せつない」を獲得していく過程に感動した。兄:俊太郎の、突き放した距離感で成長を見守る態度もよかった。「麻里ちゃんは普通、聞こえないから その点だけは違うけど それは異常っていうことじゃない」姉の言葉に心を打たれた。家族が味方でいてくれる。有作の窓の例えもよかった。2022/05/20

くろにゃんこ

53
「鍵」の続編です。高校三年になり聴覚に障害のある麻里子は些細なことへの苛立ちを隠せない。友達、家族とちょっとした雑談さえ聞こえないもどかしさ切なさ。そして出会う同じ障害を持つ少年とのやりとりにホッコリします。事件に関してはキレる犯人の残虐さに身震いしつつ、「えぇ~!(+_+)」とすっかりしっかり騙されました。2016/04/05

小夜風

37
【所蔵】聴覚障害の女の子を主人公にした「鍵」の続編。同じ障害ゆえ、感情移入し過ぎないように気をつけて読もうと思いながら読んだのですが、作者さんはどうしてこんなに聴覚障害者の苦しみを判ってくれるのだろうって、「デフ・ヴォイス」を読んだ時と同じくらい嬉しく思いました。この本も多くの健聴者に読まれてほしいです。よく、健常者と障害者で世界は区別されてるように思われますが、私はこの世は健聴者と聴覚障害者で分かれているように思えるのです。広げられたノートに四方から筆談する様子がとても羨ましく愛おしい情景でした。2016/03/29

坂城 弥生

35
自分勝手な殺人犯が追い詰められていく課程が短いのに、鮮明に感じられた。麻里子の自己中心的な考えた方も代わったいくのかな?2019/09/19

くるぶしふくらはぎ

21
1996年刊行。1992年刊行前作「鍵」の二作目。難聴の少女 麻里子は、高校三年生。人間関係や進路に悩み、聴こえない世界を理解しない周囲の人々に不満を募らせていた。一方、自分の人生がうまくいかないこと全てを周囲の人間のせいにする青年メグム。同窓会に毒入りジュースを差し入れたが、思ったほど被害が広がらずイライラを募らせる。麻里子とメグムの、心のモヤモヤは、その程度や表出は異なるが、どこか似通っていて、対比するように二人のエピソードが重ねられていく。成長する麻里子と崩壊の道を辿るメグム。古びない物語だった。2023/08/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10130169
  • ご注意事項