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内容説明
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複雑怪奇に映る化学反応も、「自由エネルギー」で驚くほど明確に理解できる。化学反応はもちろん、私たちが日々経験している変化は、すべて非常に単純な原理に従っています。これが「熱力学の法則」です。キーワードは、エンタルピー、エントロピーそして自由エネルギーです。本書は熱力学の考え方を易しく説明しながら、化学変化が起こる原理を解説します。(ブルーバックス・2008年1月刊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊介
12
化学好きとしては、化学反応がどのような仕組みで起こるか、それを知るために熱力学をきちんと理解しておきたかった。これがなかなか難しい。鍵となるのは「自由エネルギー」。物事はなんでも、自由エネルギーを吐き出す方向にしか、自然には起こらない、らしい。関係してくるのはエントロピーと、エンタルピー。本書は、その辺が分かりやすく書かれており良書なのだが、やはり難しいものは難しい。2021/06/16
ゲオルギオ・ハーン
12
ところどころで化学の話を身近なことや映画の話などに結びつけて説明してくれるという化学に慣れていない読者のことも想定して書いているのでとてもありがたかった。文章も読みやすく、エントロピーについての理解を深められた(といっても初級レベルもいいところだと思う)。数式もけっこう多いけど、慣れてきているおかげか言いたいことが数式でも分かるようになってきたのでだんだんと楽しくなってきた。2020/10/10
おりぜる@論文終わるまで読書可能時間激減
7
数年前に斜め読みしたままだった本。▼化学熱力学をエントロピーや自由エネルギーの視点から。じっくり読めば納得できる丁寧な説明と例え話。▼化学反応は暗記するものだという誤った固定観念を打ち破り、反応は共通のルールに従って起こるものだということを理解できる本。高校で化学をやったことがある人なら問題なく読めるはず。▽4章以降要再読。2017/12/27
H2O_HoriHori
4
化学反応と熱、物質の状態の関係性を入門者用に説明された本。 化学は暗示物が多く、それが嫌で物理方面に進んだ人間にとって化学反応をエネルギー量という面から見るのはわかりやすい。 化学反応、イオン結合、pHなどをエネルギーという要素から理解したい人へオススメしたい。2022/08/12
まじぇすた
3
具体的な数値を使った計算で、エントロピー、ギブスの自由エネルギー、化学反応、化学平衡がよく理解できた。エンタルピーとギブスの自由エネルギーの実用性を知り、エントロピーの章で演習の大切さと繰り返しによる体の慣れによる理解方法を再認識。化学を習う高校生に勧めたい本。小ネタも面白くて、太公望のエピソードや、映画「12人の怒れる男」から自然界に思いを馳せるのが新鮮である。著者の環境問題と社会法則の捉え方は自分の好みではあるが些か強引でもある(ネタかも?)。タイトルの「熱力学」はむしろ「統計力学」の風合いが強い。2015/08/05