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内容説明
異常気象の“なぜ?”を徹底的に解明!
超大型台風、集中豪雨、ドカ雪、異常に短い春と秋など、いま日本列島には“異常”があふれています。こういった、日本人の季節感覚を狂わせてしまうような異常事態はなぜ起こるのか……東京大学先端科学技術センターの中村尚教授が、その仕組みを、図をふんだんに使いながら解説。ある場所で起きた小さな変化が、ずっと離れたところに大きな影響を及ぼす、気象の世界独特のメカニズムについて徹底解明していただきます。
もちろん、日本の気候はこれからどうなっていくのかについても、季節ごとに詳しく予測。
また、「温暖化と異常気象の関係」、「数値で気象を予想する」、「温暖化が止まっている理由」など興味深い話題も満載しています。
テレビなどの気象解説だけではわからない、ディープでおもしろい世界にご案内!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュール リブレ
22
今日もまた、月ずれの気候で、何か暖かいとか。最近、よく聞く異常気象を理論的に解き明かすとどうなるか?を わかりやすく書いていただきました。とはいえ、いろんな変動要因があってそんなに簡単にはいかないのも良くわかる。……2015/11/16
MOKIZAN
8
それなりに気象用語の意味を知っていないと、読み通せないと思う。1、2章を気象概況、語句解説に留めておけば、後半の関心の強い部分の記述枚数も増やせたし、より解り易くなった思う。海面水温はいろんなファクターが絡んで、当面低下(復元)する見込みは無さそうだし、豪雪雨と海面上昇の要因、イメージは今までより深く理解することが出来ました。ただ、四季が「なくなる」のではなくて、「様相が大きく変わる」というのが、的を射た表現だと思いますけど。変わったら変わったで、それを受け入れるしか生きてゆく術は無いのだから。2015/10/25
文章で飯を食う
5
地球温暖化と言っても、寒い冬や台風の減少・強大化など、単純なものではない。自然の変動の中から人間の活動による気候擾乱を拾い出すのは大変である。おもしろかったのは、不確定なデータの束から天気をシミュレートしていくと、平均がそれらしいことになる。また、いくつかのシミュレーションの平均をとると、それらしい結果がでるのもおもしろい。何だか民主主義みたいである。おもしろいね。2015/10/18
ma2373
2
長期にわたる平均気温の推移などを見ると温暖化のトレンドは間違いなく存在しているようだ。ただ、その原因が温室効果ガスによるものだけかというと話はそれほど単純ではない。 本書では、テレコネクション(遠隔影響)という概念をベースになぜ地球の気象が変化しているのかを明らかにしていく。専門的な用語、説明などもあるので気象の門外漢である僕にはやや難しかった。しかし、特定の気象現象がなぜ起こるのか、という点が網羅的に説明されていて勉強になる部分も少なくなかった。2015/11/08
こばこ
0
気候の変化について、初学者向けに解説している書籍。冒頭で「高校生向けに」とは記述があるが、無理なく読みこなせそうなのは大学生、専門課程3年以降ではないかと。結構難しい言葉が多い。 ただ、きちんと研究をやってる先生なので、その内容は丁寧で、きちんと裏打ちもされているというところで、安心して読めた感。トピックも多彩なのも読みやすい一因だったとも思う。2016/01/07