内容説明
時間内に食べ終えるのが至上命題の食事風景.燃え尽き症候群に襲われる保育士たちや親との会話も禁じられた“ヘルプ”(アルバイトや派遣)のスタッフたち.ひたすら利益追求に汲々とする企業立保育所の経営陣…….空前の保育士不足の中,知られざる厳しい現状を余すところなく描き出し,「保育の質」の低下に警鐘を鳴らす.
目次
目 次
まえがき
第1章 保育の現場は、今
地獄絵図のような光景/エプロン・テーブルクロス/ 「ほいくえん、いや。せんせい、こわい」/失われる生活の質/三週間、お散歩ゼロ/転園して赤ちゃん返り/オムツかぶれ/保護者の立場の弱さ/密閉状態の中で/定員オーバーの公立保育所/この保育所に預けて良いものか/怖くて入れられない/子どもの代弁者になれるのは誰か
第2章 保育士が足りない!?
いきなり一歳児の担任に/ひたすら慌ただしい毎日/安全を保つのがやっと/ 「もう、これは保育ではない」/“ブラック保育園”/そして、「潜在保育士」に/子どもを産めない/保育士に多い“職場流産”/恐ろしくて働けない/看護師からみた保育所/公立の保育士まで非正規化/非常勤は保護者と話すな/複雑化するシフト/園長にとっても“悲惨な職場”/元園長でも時給八五〇円
第3章 経営は成り立つのか
徹底したコスト削減/狙われる人件費/いかに儲けるか/管理、管理、管理/空前の保育士不足/人材集めの実際/人手不足が何をもたらすか/正社員ゼロの保育所/一七人中採用は八人/認可外保育所の経営実態は/役所に踊らされる
第4章 共働き時代の保育
共働き世帯が増加するなかで/ 「働かなければ育てられない」のループ/病児、障がい児保育の少なさ/保育は親へのサービスか/認定こども園の実際/大きすぎる文化の違い/秋に出産して悩む母たち/園児に母乳は贅沢なのか/母乳の知識
第5章 改めて保育の意味を考える
人気取りの待機児童解消/消費税バーターというやり方/新制度は始まったが/補助金の構造問題/OECDは、規制を強化すべき/声をあげる現場/基盤は保育士のワーク・ライフ・バランス/改めて保育の意味を考える/子どもといることの楽しさ
あとがき
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