内容説明
青白く燃える14個の恒星からなり、まるで空中に浮かぶ水晶のような大宇宙の奇蹟、結晶星団――! その中心部にはブラックホールともつかぬ謎の暗黒部分があった。だが、奇妙なことに、この部分には質量の増減があり、たった一度だけ赤い光を放ったことが観測された。太陽系からはるかに離れているこの結晶星団の周囲には多くの知的種族が住んでいる。彼らの間で神秘と呼ばれ禁忌とされている結晶星団に、今、全宇宙の中の最初の探索者として、太陽系から来たアイが挑もうとしている! ハードSFの白眉とされる表題作の他、全4編を収録。小松左京本人の手による昭和四十三年の大阪万博関連資料など、貴重な図版の入った解説つき。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aki
3
小松の最高傑作『果しなき流れの果に』の序曲ともいうべき長中編「結晶星団」をおさめた中編集。結晶星団と呼ばれる、明らかに人工物と思われる恒星系を探査に訪れた宇宙種族たちの合同調査団。結晶星団をまわる惑星の上で、星団と同じようなかたちに組み合わされた遺跡を発見したことから、星団の「謎」が判明し・・・というストーリー。『果しなき』でも重要な役割を果たすルキッフ(ルシファー)やアイ(松浦と合体するやつ)も登場、『果てしなき』ファンにとっては、こたえられない一冊だ。どっちが正義や、と叫びたくなるね。 2011/06/08
Akitaka
2
小松左京のテイストの異なる作品が収録されてる。 タイムジャックの変態的なはなしから、こんな崩れた作品も書くのかと新しい面が見れた。2020/04/27
take6
2
おもしろい2019/09/20
wasabi
2
造物主(神)が我々人類を含めあらゆる生き物を作り出したのならば、なぜ堕天使という存在を作り出したのか。たしか町山智浩が『ダークナイト』評で『失楽園』を用いてそれについて解説してたけど、表題作のラストもおなじような話。ルシファーかっけー。2014/04/13
洪七公
0
既読本1983/11/15