フィリピンBC級戦犯裁判

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フィリピンBC級戦犯裁判

  • 著者名:永井均【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 講談社(2015/07発売)
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  • ISBN:9784062585514

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内容説明

独立国家として歩み出したフィリピン政府は、戦後の国際状況と対日関係、そして激しい国民の怒りを前に、この裁きに、どのような意義を見出し、困難に直面したか。一五一名の被告は、いかにして裁かれ、獄中を過ごし、そして処刑、恩赦に至ったか。日比両国の数多くの資料と当事者たちの証言を丹念に検証し、これまで様々に語られてきた戦犯裁判という問題に、実証の光を当てる試み。(講談社選書メチエ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

16
『フィリピンと対日戦犯裁判』(https://bookmeter.com/books/348735 )のリライト版。日本人はどうしても裁かれたBC級戦犯側の悲劇に目を奪われがちだが、裁いた側の事情にも注目すべきではないか、という重要な問題提起がなされている。その前提として、日本軍の暴虐とフィリピン人からの凄まじい憎しみを知らねばならない。第14方面軍の幹部は戦後もなお「当時原住民ハ殆ド通敵者ニシテ作戦任務遂行上当然之ヲ処理スベキ状況」(46頁)であったと放言しており、暗澹たる気分になる。2024/04/16

nagoyan

4
優。フィリピンは先の大戦後、独立を果たした。新独立国の威信をかけて、対日戦犯裁判を行うことになった。植民地支配を清算した新国家の「威信」は、「仇敵」に対してさえも、法と正義の名にふさわしい裁判を行うことによって確立されると考え、また、将来の対日関係を視野に入れた戦略的判断によって恩赦を実施した。我が国では、BC裁判に誤判が多かったとし、恰もBC級戦犯が「犠牲者」であるかのような認識が横行している感もあるが、戦争犯罪がなかったわけではなく、冷静に被害国のまなざしを受け止める本書は、紛れもなく良書である。

mimi

2
フィリピンに行ったら想像以上に戦争当時の記録が何もなかったので、実態が知りたく思い。出典と取材量がすごいパワーです。フィリピン側からこれほど書いた本て珍しい。すごい。戦後、現地人から「ハポン(日本)ドロボーバカヤロー」と罵られるのを「日本兵達(が使った言葉)の置き土産が渡された」と表現するのが良かった。新たな独立国として裁判をどう行うのか葛藤する様子の描写も良い。キリノ大統領はフィリピンの綺麗なところを擬人化したみたいな人物だなぁと思った。2019/03/28

鈴木貴博

2
フィリピンに関する勉強の一環として読む。山下奉文、本間雅晴らが死刑とされた米軍マニラ裁判を引き継ぐ形で、独立して間もないフィリピンによって行われた日本人”BC級戦犯”裁判をテーマとする本。フィリピンは独立国としてどのように裁判を行い、処遇し、執行し、そして最終的に恩赦による未執行者・未了者の解放に至ったのか。国民感情、関係者の矜持、国際情勢、日本の対応なども踏まえて記述されている。恥ずかしながら知らなかったことが多い。内容に粛然とさせられる。周辺のことを含めてさらに勉強していきたい。2018/11/18

穀雨

2
フィリピンが日本人の戦犯を裁いていたことすら知らなかったが、新生独立国家としての体面をかけたフィリピンの一大事業を、膨大な資料をもとに描いた力作だと思う。自らの国土や国民を蹂躙した戦犯に対して、あくまでも公正公平な裁判につとめたフィリピンの度量に心をうたれた。2017/05/20

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