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内容説明
時代に咲いた仇花一輪 怨んで結ぶ種ひとつ カラカラ音を立てながら 刻の狭間に転げ込む 晴れぬ恨みの澱ならば もがりが拾うて陰供養
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラルル
15
この方の作品を読んだのは巷説百物語ぶりです。水木しげる先生の影響を多大に受けている作風が私には馴染みやすく安心感があります。水木先生よりも現代的で可愛らしい画風ですがそこがまた良。表紙で見たもがりは恐ろしい雰囲気でしたが読み終わる頃には愛しさすら感じます。悪事は駄目よと、勧善懲悪。スカっとします2014/07/11
そのじつ
11
「もがり」と聞くと「殯」を連想したが、作者のあとがきでは「虎落笛」の音のような・・とのこと。戦国時代から始まり日本の歴史の中、名もなき人々に寄り添って漂い続ける「もがり」。貧富の差に苦しむ人、傍若無人な悪人に苦しめられる善人が描き出される。普段多くを語らぬ彼が語り出す時、悪が罰される・・って必殺仕事人みたい。全6話で各話読み切り。明治期を描いた「善意」が気になった。芸術家・小説家を名乗る男のために家族が食いつぶされてゆく話。自分の身内を見ている気分・・・やっぱ「父殺し」は必要なんだよなぁ。2018/05/13
澤水月
11
表紙買い。水木しげる「つらら女」まんますぎやんかーい!(帰宅して検索、自分に水木血流れてるなと実感) 中身も背景の細密タッチからキャラ浮き上がる描き方までまんま…と思ったら何と元水木プロ勤めの直弟子だった! 時代を超え人の営みを見つめ恨み晴らすもがり、火の鳥的でもある。直系もホームグロウン型ドリヤス工場もいる日本は何と豊かな水木翁あふるる国よ2015/02/17
うえ
7
水木しげるチックな絵で展開する歴史の片隅の物語。信長の時代から幕末、明治、昭和四十年代の本牧まで。人ならざるもがりの勧善懲悪。かなりおすすめできる作品。「冬の虎落笛(もがりぶえ)のような寂しい雰囲気を表現出来ればと思って描いてました」とのこと。2017/12/10
gelatin
7
★★★★ 久々にガロの匂いを嗅いだわ。ていうか水木しげるから点描を抜いたような。勧善懲悪の一種なのだが、その善の少なさたるや。そして、懲らしめ方が悪夢のようで面白い。「足跡」は話が練ってあって特に良かった。狂気は悪とは違うと思うが、もがりちゃんを被害者にしちゃったからねえ。2014/07/02