ハヤカワ・ミステリ文庫<br> ビロードの悪魔

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ハヤカワ・ミステリ文庫
ビロードの悪魔

  • ISBN:9784150703578

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内容説明

歴史学教授のフェントンは過去のある事件を調べるため、悪魔と契約を交わし時を遡った。三百年前の貴族に乗り移り、その妻が毒殺された事件を解明しようというのだ。きっかけは、事件の顛末を記した執事の手記だった。なぜか事件解明の部分だけ欠落していたのだ。過去の謎に挑むフェントンは事件を防ぎ、歴史を作り変えられるか? 華麗な恋愛模様と壮絶な剣戟場面を織り込み、中世英国を舞台にものした歴史ミステリ巨篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

56
ケンブリッジの学者が悪魔と契約して過去の人物に乗り移るという歴史ミステリ。この物語、作家自身がフェンシングを得意としていたらしく、剣劇の描写がとにかくリアルで、歴史冒険活劇と言ってもいいほど。台詞も、歴史小説にありがちな堅苦しいものではなく、読みやすい。フェントンの、悪魔と契約してしまうほど三百年前の女性の肖像画に惚れ込みよう。遡った過去には姪にそっくりな女性メグがいたこと。そして、ちょっとなんだかなあ、のラスト。内容としては突っ込みどころがたくさんあるのだが、それもまた面白の一つということで。2022/12/15

みっぴー

24
「ちょっと300年前に行って事件解決してくる」と言って悪魔と契約して17世紀に旅立った歴史学者。カーらしいぶっとんだ設定ですが、HM卿もフェル博士も出てきません。ミステリより、サスペンス寄りかな?と感じました。500p超、少し長めですが、決闘や政治、宗教対立など盛りだくさんで、全く飽きさせません。最後に明かされる犯人の正体、やはりカーは何を書かせても一流だなぁと再確認。作中の悪魔が軽すぎて笑えました!2015/07/26

Tetchy

11
趣味・趣向の違いから巷で騒がれているほど特別には感じなかった。しかし決闘シーンの描写は特に圧巻!2008/11/07

sakadonohito

9
過去に起きた毒殺事件の真相を解明し防ぐために悪魔と契約して過去に遡り事件関係者で同名の人物に乗り移るというミステリもの。割と序盤に原因と容疑者が判明して「あれ?本題は別だったっけ?」となった。著者がフェンシングに覚えがあるらしく、幾度かある剣戟シーンは詳細に語られていてなかなかのものに感じました。物語の綴じ方はモヤモヤする感じでしたが、全体としては16世紀のロンドンの雰囲気(汚い・臭い)や階級社会の人間関係が垣間見えてそれなりに面白かったです。2020/07/31

**くま**

9
初・カーの歴史ミステリ。予備知識なしで読み始めたので、歴史小説だと知ってかなり慌てました。歴史物苦手なのに!! でも観念して読み始めると意外に面白くてびっくり。まず登場人物の台詞やなんかが歴史物なのに堅苦しさがほとんどなくカラッと明るいです。そのへん、さすがカー。また剣のバトルシーンがたくさん出てきますが、やたら本格派ですごいです。ってカーってフェンシングの達人だったの(解説より)? 嘘っ? ミステリ的には大したことなくて話が読める感じだしキャラもあんまり好きじゃない・・・けどとても読みやすいです。2013/11/15

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