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内容説明
低迷する業績,頻発するスキャンダル.悲鳴をあげる日本企業にとって,ガバナンス(企業統治)の見直しは必須である.1990年代以降,会社法施行・改正によって企業はどう変わったのか.そもそも銀行をはじめとする日本企業のガバナンスにはどのような特徴があったのか.実証分析によって通説がくつがえる.
目次
目 次
はしがき
第1章 コーポレート・ガバナンスとは何か
1 所有と経営の分離
2 エージェンシー問題
第2章 アメリカ型ガバナンスの特徴と限界
1 株主による経営者のモニタリング
2 経営者へのインセンティブ付与
3 株式市場を利用するアプローチ
第3章 日本型ガバナンスを再検討する
1 企業系列
2 日本独自のメインバンク・システム
3 日本のメインバンクはガバナンス機能を果たしたか
第4章 日本の銀行のガバナンス
1 金融危機の何が問題か
2 銀行のガバナンスと規制の役割
3 ガバナンスの空白
第5章 東アジア企業のガバナンス構造
1 家族支配企業のガバナンス
2 アジア危機とコーポレート・ガバナンス
3 財閥の功罪
4 中国の経済発展
第6章 コーポレート・ガバナンスの将来展望
1 アメリカ型ガバナンスは浸透したか
2 日本の企業行動はアメリカ型に移行するか
3 ステイクホルダー型ガバナンス
あとがき
参考文献
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
29
CG:企業経営の非効率性を排除して、企業価値を高めるメカニズムを指し、企業統治と訳される(ⅰ頁)。エージェンシー問題:代理人は自己利得を高めることを第一義的目的とし、自分に望ましい努力水準を選択する(13頁)。ストック・オプション:自社株式オプションのうち、特に企業が従業員等に報酬として付与するもの(28頁)。事前的モニタリング:企業が提案する投資プロジェクトを審査し、融資可能なものかどうか選別する過程(60頁)。2015/06/18
はるわか
16
エージェンシー問題:企業体において所有(株主)と支配(経営者)が分離すると両者の利害が一致しなくなる。いかに経営者に株主利益に合致した経営をさせるかがコーポレート・ガバナンスの出発点。情報の非対称性と契約の不完備性。18世紀南海泡沫事件。アダム・スミス、バーリーとミーンズ。アメリカ型ガバナンス:①株主によるモニタリング:エンロン事件他多くのスキャンダル、②経営者へのインセンティブとその限界、③株式市場によるアプローチ(委任状争奪戦、M&A、事業部門の切り離し)。日本型ガバナンス:垂直的系列と水平的系列。2017/12/12
アイスマン
14
コーポレートガバナンス(企業統治)とは、経営判断が企業の価値向上に繋がるように管理・統制する仕組みの事である。情報開示のあり方や、監査役や社外取締役を含む取締役会などを指す事が多い。コーポレートガバナンスが必要とされる背景として、経営者の暴走を防止するためもあるが、高度成長期が終わり企業の低成長が続くようになった事で、より効率的な企業経営が求められるようになった事もある。•••との部分が特に印象に残った。ナットク2017/03/14
あんさん
12
なるほど、依頼人であるプリンシパル(株主または投資家)と、サービスを代行するエージェント(経営者)との利害に関するエージェンシー問題が、コーポレートガバナンスの原点と再確認。また経営者からすると雇用する従業員がエージェントである。企業は様々なステークホルダーへの透明性に併せて、高いパフォーマンスを維持することが求められている。一方で企業が社会的な存在であることも求められる時代。単に儲けるだけでなく理念と哲学も必要。2024/04/19
Haruka Fukuhara
7
入門として。幅広い観点から紹介されていて勉強になりました。2017/07/12