内容説明
絶対的に君臨する父親によってお化け屋敷に閉じこめられている少年・ロコ。独りぼっちの彼が美しい一人の少女と出会う……ほろ苦い衝動が初めてロコを突き動かす! 泣ける表題作他を収めた充実の短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
64
いつしか筋肉少女帯というより作家として見るようになったオーケン。本を読むのは初めてです。内容がロックですよね。ヒリヒリする火傷したような痛みが体を突き刺しながらも、あたたかさを感じます。光と闇、生と死が混じって作り上げる世界は混沌としながらも楽しく読めました。ホラーやサブカル、ダークさやディープさといった様々な色彩が混じっていたからでしょう。内容が充実していてお腹いっぱいになりました。2015/11/24
『よ♪』
47
捻じれて真っ直ぐに屈折した心が美しい──クセの強い短編集は地味ながら秀作揃い。軟禁された少年の外への憧れと恐れ、一人の少女との出会いと外へ踏み出す決心──"ロコ!思うままに"ほか奇妙な幻想譚三編の第一章。十八歳で夏でバカだった──"ロッキン・ホース・バレリーナ"と全く同じ始まりに全く違う結末──"ドクター・マーチン・レッド・ブーツ"、シュールで怖すぎ──"キテーちゃん"など胸糞怪奇・恐怖譚五編の第二章。表題作と同テーマの"ロコ!もう一度思うままに"など希望に溢れた二編の第三章。オーケン好きにお薦めの一冊♪2021/07/27
マク
24
オーケンは相変わらずな文章を書くな〜。 短編は初めて読んだけど、歌やエッセイと世界観は同じ。これだけ読めば斬新なんだけど、実はほぼ使い回し。 それでも、音楽をメインにした話やSFは良い感じ。ただ、エログロ系はどうしても生理的に受け付けない。2014/11/06
じゅむろりん
16
大槻ケンヂの頭の中が垣間見られる短編集。第1章で好きなのは「神様のチョイスはKISS」。夢見るおじさんロッカーものにはやはり,ぐっときます。第2章では「怪人明智文代」と「イマジン特攻隊」。小学生の時魅了された少年探偵シリーズや乱歩作品の世界観を保ちつつ,オカルト要素を詰め込んだハイブリッド作品が新鮮。イマジン…は,奇想天外ながらしっかりと戦争物。そして第3章では「天国のロックバス…」。殆ど自叙伝みたい。彼のロックンロールへの愛を感じます。夢を捨てない人たちの熱い思いを感じる作品群でした。2021/04/19
林 一歩
10
エッセイとは真逆の歪んだ世界観が心地よい。中学生の頃の読書傾向は多分そっくりな気がします。2013/01/06