内容説明
日常の隙間に潜む恐怖の数々。マンションのドアに書かれた不気味な文字、夜光虫に縁取られた青白い遺体、映画の映り込む失われた記憶、奇妙な現象が起こる町営住宅……。著者真骨頂の恐怖短編集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cao-rin
19
あの「貞子」の生みの親、鈴木光司氏の短編集。「リング」のような派手なホラーではないし、それほど怖いという事もなかった。エンターテインメント的なホラーがお好みの方には物足りないと思う。どれも日常生活の中で起きる、少し説明のつかない話。しかも登場人物達はその怪奇に気づいてもいない。それでもどこか不穏な空気が漂い、全体を通してどこかねっとりとまとわりつくような雰囲気を出すのは上手いなと思う。「しるし」、「タクシー」、「櫓」がよかった。特に「しるし」は人知を超えた、子供が親を想う心にウルッときた。2017/01/22
よみーぬ
12
死の匂いが頭の中にこびり付くような八つの短編集。どの短編も単純に怖いお話、という訳ではなくて、なんというか山中に佇む廃墟を訪れたような感覚を味わった。埃とか朽ちた木とか、土とか、そういった様々な死骸の匂い。廃墟そのものが怖いのではなくて、そこに生の残骸を見出して、背筋が寒くなるような感覚。変な話だけど、そういう匂いが心地よくて、すらすら読むことができた。著者の別作品も巡ってみようと思う。2017/01/07
じゅんぢ
11
全く怖くない。何が怖かったかしいて言えば、最初の話の鳥居の死にかた。あんな状況で死にたくないと思った。2016/10/20
ヘビメタおやじ
11
読みやすいのは確かです。おお、となることもないけれど、なーんだ、となることもありません。お手軽に不思議な雰囲気に浸れます。幽霊アパート、懐かしかったです。2015/07/30
Shinya
6
audibleにて、再読。2017/10/02