岩波新書<br> 里の時間

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岩波新書
里の時間

  • 著者名:芥川仁/阿部直美
  • 価格 ¥1,078(本体¥980)
  • 岩波書店(2015/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004315117

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内容説明

「都会は,玄関から一歩出っと金かかるべ.ここは一歩出っと,晩のおかずが採れるんだ」――古来,素朴な自然が残る各地の集落を訪ね,自然と共につつましやかに暮らす人びとの日々の営み,身近にある「幸せ」の姿を,さり気ない写真,飾り気ない言葉でそっと伝えます.そう,ふつうの暮らしこそがいい人生!カラー写真多数.

目次

目  次
   はじめに
   巻頭地図

 春
  玄関から一歩出っと晩のおかず(福島県・大沼郡会津美里町)
  * 秋津ミサヲさんの「こづゆ」
  谷間の村と熊と犬の物語(福井県・今立郡池田町)
   * 藤田キクエさんの「ウドの煮しめ」
  カイニョが守る水と緑の宇宙(富山県・砺波市)
  * 「ホタルイカの辛子酢みそ和え」
  氷河期から舞う白い蝶(広島県・山県郡北広島町)

 夏
  時々ご先祖様が帰ってくる(島根県・仁多郡奥出雲町)
  腰伸ばし棚田見守る母(滋賀県・東近江市)
  小川の上と下で皿洗いしながらお喋り(神奈川県・愛甲郡愛川町)
  * 沼田イトさんと大野松子さんの「煮込みうどん」
  望遠鏡で対岸の安否知る棚田村(高知県・長岡郡大豊町)
  巡礼路に梅の実落ちて香を放つ(埼玉県・秩父郡小鹿野町)
  宮司さん笏に米のせ家運を占う(山口県・周南市)

 秋
  先人の汗で田を拓く(熊本県・上益城郡山都町)
  茅の高原を守る四十二世帯(奈良県・宇陀郡曽爾村)
  窓から顔出して友待ちわびる(岩手県・盛岡市玉山区)
  山に抱かれた「おごさま」の里(茨城県・つくば市)
  * 松崎志津子さんの「すみつかれ」
  古代米の藁でなう大しめ縄(佐賀県・佐賀市三瀬村)
  * 仲良し四人の「かけ和え」

 冬
  天筆の炎と男衆の竹打ち(秋田県・仙北郡美郷町)
  * 山口スガさん・伊藤タカさんの「鱈っ子のほろほろ」
  藁の鍾馗様が春掘り起こす(新潟県・東蒲原郡阿賀町)
  鬼なく豆なく心経で心一つ(兵庫県・宍粟市波賀町)
  十五夜の月が見守るリンゴ村(青森県・弘前市旧相馬村)
  * 大澤ハキさんの「けの汁」
  白く輝く割干し大根(宮崎県・東諸県郡国富町)
  * 渡辺きみえさんと仲間たちの「ネリクリ」
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

73
「都会は、玄関から一歩出っと金かかるべ。ここは一歩出っと、晩のおかずがとれるんだ」という言葉が本書には書かれていた田舎暮らしもいいなあと思う人も多いのではないか。。全国20箇所の”里”が紹介されている。感じたのは住んでいる皆さん幸せだなということと逆に今までその里で頑張ってこその幸せだということだ。田舎暮らしというのは思うほど楽でもなくて何事も自分でやる、やれないことは地域の人の協力してもらう。そういうことが素直に受け入れることが必要だと思った。幸せそうな人と自然の写真だけで私には十分だ。2017/01/23

壱萬弐仟縁

30
東近江市:太平さん曰く、良いとこのあるんやで。お前とこの田んぼ、水が浅かったで入れといたでえ、言われることもあるでな。持ちつ持たれつ(68頁)。コミュニティの相互扶助。クロポトキンやモースを想起した。つくば市:六所口調の嘉一郎さん曰く、六所の歴史を残すことは、俺の責任(149頁)。47世帯の狭い集落の消えゆく歴史。どう集落の歴史を残すか、多くの自治体の課題だと思われる。 宮崎県国富町:薩摩原土地改良区理事長務める行けの改修事業で、切り干し大根は高値。農業は輪作ローテーション。2015/03/16

なにょう

17
現代版「忘れられた日本人」といったところか。「おべんとうの時間」の阿部直美さんの著作ということで手にとる。田舎の小さな集落に住む人びとを取材する。田舎は人のつながりが強い。平気で2時間くらい話していく。畑仕事も辛いが、そういうもんだと自然に手を動かす。やっぱり人間適度にお天道様の下働かんといかんばい。★なんか生きるのが辛い人とかこの本を読むといいかも?世の中には色々な人、伝統、考えがあるってわかるよ。全国の大字(おおあざ)と小字(こあざ)にそれぞれの歴史やらなんやらがあるって思うと、なんかくらくらする。2019/02/03

たらこりっぷ

10
日本全国のいわゆる「田舎」といってもいい場所に暮らす人々の、普段の姿をほんの少しそのまま切り取った、というような一冊です。吉幾三は昔「こんな村いやだ」と歌いましたが、最近は少しばかり見直されてきているようです。私自身は、旅行で短期間過ごすのは大好きですが、移住してそこで暮らし続けたいかというとそうではありません。里に時間があるように、街にも時間があります。人ごみの中でもまれながらも生き続ける道もあると私は考えています。2014/11/09

おせきはん

4
自然と周囲の人々とともに生きる里の生活を生き生きと描いています。「都会は、玄関から一歩出っと金かかるべ。ここは一歩出っと、晩のおかずが採れるんだ。」という福島県大沼郡会津美里町の女性の言葉は、里の生活を端的に描写していると思いました。2015/03/16

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