講談社現代新書<br> 現実脱出論

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講談社現代新書
現実脱出論

  • 著者名:坂口恭平【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2014/09発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062882743

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内容説明

「現実」って何だろう? 私たちが知覚している世界と「現実」は、実はかなりズレている!? 「現実」ではノイズとしてカットされているかすかな五感のささやきに、異能の作家・坂口恭平が耳を澄ます。そこで浮かび上がってきたものとは? 驚きの(そしてどこか懐かしい)世界をありありと体験できる本。私たちは本当は、見えないものたち、触れることのできないものたちに包まれて生きているのだ。(講談社現代新書)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

78
私を痺れさせる天才、坂口恭平。我々は苦しいことに出会うと現実逃避しようとする。ところが恭平さんは、それでは解決にならないと言う。逃避すると現実はより怖く感じられるのである。そこで提案しているのが「現実脱出」。自分の知覚を変化させ現実の違う点に目を向ける。死にたいときは脳が誤作動を起こしているので、自分の勘に頼らず素直に人に助けを求めることを推奨している。アパートで引き篭もってた人を助けた話は伊坂幸太郎の小説みたい。オカルト本ではないけど、毘沙門天のエピソードは心動かされる。何かが不思議に繋がってる。2019/04/30

harass

64
著者にとって現実とは親が見ている感じているものと異なるのではないかという疑問があった。徹底的に彼自身の主観からの彼の現実とはなにかを語り、そして彼自身の創造とどう関わってくるのかという論考。専門用語はまったく使わずに普通の言葉だけで哲学的な内容が論じられる。論理というよりも感性が強く振り落とされそうになる。躁状態が書かせた詩人的、批評家的な断定の数々がスリリング。ぱっと目を通しただけの読書だったがなにか凄いものを読んだという畏怖がある。うーむ。どういうことか。これは。やはり天才というべきか。2017/05/12

Emperor

32
欠伸が出るほど没個性的な現代社会に一石を投じまくる熊本の異端児・坂口恭平。「現実さん、こんにちは」から始まるエクソダス。「現実」との会話は、変態の妄想ではない。狂人の戯言ではない。廃人の寝言ではない。天才の思考回路と対峙したいアナタにおすすめ。2017/02/18

K(日和)

29
著者「坂口恭平」の思考や創作、および現実に対するスタンスが著されている。98歳に死ぬと決めた彼は、0歳から98歳までの99個の調性を持った1人の人間が存在してる、と考えているのが衝撃的だった。ピアノの鍵盤になぞらえて、88個としないあたりが、なんとなく好感を感じた。たまたまその年齢の鍵盤を鳴らしているだけ。Twitterで見かける彼の中身が、少しだけ知れた気がした。2017/01/01

阿部義彦

23
講談社現代新書。面白いアプローチです、エッセイと創作と自叙伝がない混ぜになった論が実に心地よいです。現実さんとの折り合い、時間と空間の気分的起源、躁鬱病といかに付き合うか?目に見えないものとの付き合い方やラストの近くの毘沙門天との関係は、シンクロニシティーと呼ぶべきか単なるオカルトか?これは一種の精神的トリップを字に起こしたものなのか。後からグイグイ来る読み心地です。類書無し!2018/11/10

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