岩波新書<br> 納得の老後 - 日欧在宅ケア探訪

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岩波新書
納得の老後 - 日欧在宅ケア探訪

  • 著者名:村上紀美子
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2014/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004314899

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内容説明

団塊世代が75歳以上になる2025年.高齢でも自宅で医療や介護を受けながら暮らすという思いが一層強くなったとき,私たちに用意はあるのか.欧州の在宅ケアの現場を訪問した著者は未来に活かせる知恵を探り,日本各地での新たな医療・介護の実践にも出合う.納得のいく老後を迎えるための一冊.

目次

目  次
   はじめに──自分の近未来の姿を探して

 第1章 ひとり暮らしを支える─ドイツ─
  家族やご近所とのつきあい
  よろず相談所
  日常のなかの家庭医
  ソーシャルステーション
  在宅ケアを利用するには
  五時から二三時の訪問を支える
  市民後見人制度

 第2章 暮らしを自分でコントロール─オランダ─
  ビュートゾルフ、新しいビジネスモデル
  厳冬の訪問看護に同行
  自律的なチームで
  在宅ケアのルネサンス

 第3章 本人の意思をいかす行政サービス─デンマーク─
  行政サービスを適切に提供
  本人ができないところをサポート
  家庭医は妊娠から看取り、離婚相談まで
   「分類してあてはめる」から「個人のニーズを見る」ケアへ
  現場発の豊かなアイディアと知恵をいかす

 第4章 プライマリケアの土台の上に─英国─
  全科診療をおこなう家庭医
  地域保健センター
  チャリティ団体の存在感
  ケアホームの向上
  現場と教育の協働

 第5章 近未来の柔軟な在宅ケアを探して─日本─
  支えられる人から支えあう人へ──那須塩原市の「街中サロンなじみ庵」
  高齢者の多い団地のよろず相談所──新宿区の「暮らしの保健室」
  希望を支える柔軟なケア──長浜市の「訪問看護ステーションれもん」
  かかりつけ医の仕事──長崎市の白髭医院とDr.ネット
  必要なときに、適切な在宅ケアを
  未来にいかせる知恵は何か
   おわりに──気持ちのよい昼下がりに
   主要参考文献
   各国の家庭医

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ごへいもち

28
読友さん御紹介本。やはり先進国と言われる国々から学ぶことは多いようだ2017/01/30

壱萬弐仟縁

28
独・蘭・デンマーク・英国の比較事例をして日本の高齢者福祉のあり方を考察した一冊。ソーシャルステーションとはケアマネジメント+訪問看護+訪問介護(18頁)。和蘭のビュートゾルフとは‘07年創業の看護師、介護士、リハビリ職の独立チームが自律マネジメントで総合ケアを提供(57頁)。デンマークでのケアは、人間を精神、身体、社会、文化の側面で学ぶ。暮らしは社会とのかかわりや文化の中にある(105頁)。加齢と共に心と身体が穏かになり、住まいが重要に(197頁)。劇的ビフォーアフターのようなリフォームが不可欠な理由。2015/02/22

Miyoshi Hirotaka

23
生老病死は釈迦の時代からの根本的な苦。一方、老は人口統計という科学のおかげで正確に見通せる。明治以来西洋に学んだわが国はこの分野ではまだ学ぶべきことがある。その一つは、「私達が食事をとれるのはパン屋や肉屋の博愛心ではなく、自分自身の利益に対する彼らの関心から」と喝破したアダム・スミスの国富論。もう一つは、国民国家という西洋が発明したメンバーシップ制。長く国民としての義務を果たしてきた人が蓄積した税を閉鎖空間の中で移転させる仕組みが西洋流の老への処方箋。安い労働力を外から入れると長期的には国の根幹が揺らぐ。2017/07/19

パスティル

14
2014年6月に出された本。超高齢社会をいかに乗りきっていくか。来るべき2025年は、介護の大きな転換期であると言われている。そんな中、ドイツ、オランダ、デンマーク、英国プラス日本の在宅ケアのあり方が端的にまとめられている。【ヨーロッパはどこも、サッカー強い国々!】もとい、どの国も、家庭医との関わりが充実して、きめ細やかなサービスで個人を尊重している。デンマークの医療、介護、教育費が無料にはちょっと驚きを感じた。その人がその人らしく手を取り支えあって暮らす。いろいろな事を考えた1冊でした。2014/09/14

おとん707

8
誰にとっても不可避の問題。長年医療ジャーナリストとして活躍してきた筆者がドイツ、デンマーク、オランダ、英国の高齢者ケアの現場に直接踏み入って当事者目線でその政策を考察した調査報告。日本との一番の違いはこれらの国では老後は子と別居が原則で、ケアは特養ホームでの集団ケアから個人用ケア付き住宅・自宅でのケアに軸足を移している事。高齢者の自立と意志を尊重した結果のようだ。被介護者を対等に扱い個人の人格尊重を重んじるこれらの国の政策は日本の高齢者政策に貴重な示唆を与えていると思う。政治家、行政関係者に読んで欲しい。2023/05/08

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