岩波新書<br> 日本は戦争をするのか - 集団的自衛権と自衛隊

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岩波新書
日本は戦争をするのか - 集団的自衛権と自衛隊

  • 著者名:半田滋
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 岩波書店(2014/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004314837

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内容説明

安倍首相の悲願といわれる集団的自衛権の容認.武器輸出の解禁や日本版NSCの登場,国家安全保障基本法の議論などを背景に,今,日本が急激に変わろうとしている.政府で何が議論されているのか.自衛隊はどう受けとめているのか.30年以上にわたり日本の防衛を取材してきた著者が問う,渾身の一冊.

目次

目  次
   はじめに

 第1章 不安定要因になった安倍首相
  靖国参拝の波紋
  在日米軍の奇妙な動き
   「オバマに嫌われている」
  フェイスブックで元官僚を批判
   「こういう憲法でなければ、横田めぐみさんを守れた……」
  解釈改憲狙った内閣法制局人事
  首相による「クーデター」

 第2章 法治国家から人治国家へ
   「最高の責任者は私だ」
  米艦艇を集団的自衛権で守る
  集団的自衛権こそが戦争の口実
   「国家安全保障基本法」で空文化される憲法
  アジアを引き込む軍拡競争

 第3章 安保法制懇のトリック
   「間違っている」と憲法を珍解釈
  首相が示した四類型
   「北朝鮮が米国を攻撃」とあおる首相
  米軍とともに海外で武力行使へ
   「駆けつけ警護」も解禁
  途上国の列に割り込む日本
  他国の武力行使と一体化
  首相が生みの親「積極的平和主義」
  多国籍軍参加への模索

 第4章 「積極的平和主義」の罠
  武器提供決めた日本版NSC
  ミサイル防衛が原点、特定秘密保護法
  ウソで塗り固められたイラク派遣
   「積極的」だらけ、「国家安全保障戦略」
  陸上自衛隊は海兵隊になるのか

 第5章 集団的自衛権の危険性
  憲法違反を避け続けた歴史
  行使解禁求める「ジャパン・ハンドラー」
  米政府は「歓迎」を表明した
  原点は北朝鮮のNPT脱退
  極秘の「K半島事態対処計画」
  自衛隊が見積もる北朝鮮との戦闘
  押し寄せる難民
  自衛隊は北朝鮮攻撃を検討した
  米国の要請に応える周辺事態法
  自衛隊は北朝鮮対処の演習

 第6章 逆シビリアンコントロール
   「人助け」目指して自衛隊へ
   「オールジャパン」の南スーダンPKO
  米国の「名代」担うソマリア沖の海賊対処
  モンゴル、ベトナムから高級将校
  政治家を動かした海上自衛隊
  裏工作の裏側
   「愛国心」問う自衛隊幹部学校
   終わりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

335
著者は東京新聞論説委員を勤めるジャーナリスト。とりわけ防衛問題に強い関心を寄せる。本書は、このタイトルに直接的な答えを出すものではないが、安倍首相(当時)の極端な右傾化政策に具体的に論及し、その危険に強い警鐘を鳴らすもの。とりわけ、ここで問題視されているのが、集団的自衛権であり、それを可能にする憲法解釈である。安倍首相は、内閣法制局(いわば行政に対する法の番人である)に不満であり、それに対抗すべく私的な諮問機関ともいうべき安保法制懇談会なるものを作っている。それ以後の政権も、この安部路線の延長上にある⇒2023/02/21

megumiahuru

51
安倍首相の言動は一貫して9条改正、集団的自衛権行使を志向していますが、結局は米国の言いなりなのだということが分かります。番長・アメリカについていきさえすれば大丈夫と考えているのでしょうか?パシリで焼きそばパンを買いにいくくらいならいいですが、アメリカ財政も火の車である昨今、そうもいかないでしょう。中東の最前線に自衛隊が派遣されるのも、そう遠くない日のような気がします。自分で戦争に行くつもりなど毛頭もない政治家の軽い判断のために、日本の若者が戦場で殺したり、殺されたりすることになってほしくありません。2014/09/18

夜長月🌙@5/19文学フリマQ38

46
なぜ?誰のために?日本は戦争をしようとしているのか?自衛隊が海外で戦争できるようにと憲法改訂をしてまで突き進もうとしています。国内の災害救助で多くの実績を残してきた自衛隊は今のままではいけないのでしょうか。仮想敵国は挑発はするものの本当に戦争に踏み切るとは思えません。その仔細を説明して国民の不安を鎮めるのが国のとるべき道です。立憲主義を否定して憲法解釈まで変えた政府はどこまで行こうというのでしょうか。2017/06/12

びす男

36
集団的自衛権、誰もが一度は考えなくてはならない問題だろう。タイトルから見当はつくだろうが、この本は基本的に行使容認に反対する立場だった。前半の安倍首相の政権運営手法に対する批判は、特に目新しいものもなかった。ただ、最後の方に書かれていた自衛隊のPKO活動や、海外派遣にたいする政治家たちの関心の薄さについては初耳の話も多く、印象的だった。閣議決定のプロセスや実効性についての疑問は、いまだに解消されていないまま残っている。政治家には丁寧な説明と、さらなる検討が求められていると感じる。あとで書評かきます。2014/09/27

壱萬弐仟縁

35
安倍首相が示した類型は、米国が北朝鮮と戦争すれば、在日米軍基地を抱える日本が巻き込まれる可能性が高いのに、無視している(ⅳ頁)。看過できない。人間の安全保障を。安倍首相の憲法観は、日本国憲法に相容れない。●国家権力を縛るものだ、という考え方は絶対王権時代の主流的な考え方●憲法は日本という国の形、理想と未来を語るもの、という点で馴染まない(38頁)。積極的平和主義:日本国憲法の柱のひとつ、平和主義とはまるで違う概念(113頁)。2015/09/03

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