内容説明
エディンは戦争の子だよ――。現在イングランドプレミアリーグのマンチェスターシティで活躍するジェコについて父はそう語った。当時6歳だった彼は、サラエボ包囲戦下で狙撃の脅威に晒されながらサッカーを学んだという。戦争や天災など、様々な困難に直面しながら、人々はなぜボールを蹴るのか。選手や指導者として世界中でサッカーに携わる19人の声に耳を傾けた魂のノンフィクション。ボスニア・ヘルツェゴビナ代表選手・ジェコのインタビューを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
120
2014/5/24 Amazonより届く。 2019/10/6〜10/10 ラグビーワールドカップが盛り上がる中、サッカーである。サッカー選手の背負ってきた人生はドラマに満ち溢れ、これまでも木村氏は描き続けてきた。ラグビー選手にもそれぞれドラマがあるだろうが、ドラマ性はやっぱりサッカー選手が上ではないだろうか。その理由は、と言っても説明はしづらいが。2019/10/10
たー
21
サッカーを通して見た現代史。一流のノンフィクション。木村氏の本はどれも秀逸。2014/08/16
daimonn
9
ジェコの章を読みたくて手に取ってはみたものの、目次をざっと見てなんとなく硬い内容なのかな…と思いながら読み始めたのだけど。こんなに面白いとは!サッカーを通して語られているエピソードは重いものがほとんどなのに、その重さはサッカーに携わる人達の情熱に変換されて伝わってくる。そして、あー、良かった。と読み終えた後、高野さんの解説でこのルポの貴重さに改めて気づかされる。素晴らしく良著です。2014/11/16
鳥義賊
6
サッカー本というより、フットボーラーのナマの声で理不尽な時代を伝えるノンフィクションです。差別や貧困に抗った者達、独裁者のまえでケツを見せた男、日本サッカー界の裏歴史・・・etc。もうブラジル大会での敗退なんてすごくちっちゃいことだと思わせるほど。それはもちろん幸せなことなのですが。もしサッカーが好きな歴史の先生がいたら、ぜったい逃せない本です。2014/07/29
coolmonster
5
過酷な環境下、サッカーと向き合いながら生きてきた人物に関するルポルタージュ集。小幡忠義氏とリンダ・メダレン氏に関する文章が興味深かった。神戸にも一瞬所属したイルハンについても語られているが、今でも単なる無責任な男にしか思えない。2015/05/17