内容説明
2014年10月4日で、フランス、バルビゾン派の画家ジャン=フランソワ・ミレーは生誕200年を迎える。 本書は80点以上の図版でミレーの名画の魅力を伝えるミレー展を訪れる人必携のミレー小百科。
目次
序章 ミレーが愛した「画家の村」バルビゾン
第1章 初期パリ時代(1814‐45年 初期パリ時代―シェルブールを経てパリへ 「アルカディアの牧人」―最も若い頃に描いた油絵は画家スタートとして合格点? 「男性裸体習作」―ドラロッシュに学んだ習作の評価はA級、B級、それともC級? ほか)
第2章 パリからバルビゾンへ(1846‐62年 パリからバルビゾンへ―写実主義の農民画への苦闘 「野良からの帰り」―赤ちゃんのいる農民画はロココ美術のリバイバル 「箕をふるう人」―大西洋を渡ってニューヨークの納戸でほこりをかぶっていた名画 ほか)
第3章 円熟期‐晩年(1863‐74年 円熟期‐晩年―自然と人間の営みの原像を求めて 「羊飼いの少女(大)」―牧歌的な麗しの田園風景が大絶賛された画家の気持ちは?
「ガチョウ番の少女の水浴び」―父親としての慈愛の目で描いたエロスを寄せつけない水浴画 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バナナフィッシュ。
7
三菱一号館美術館で「ミレー展」を見た後に、ミレーについて詳しく知りたくなり、購入。ミレーというと農民画の印象が強く、またコローと混合してしまいもしていた。この本では、経時的にミレーが構図、色彩、題材の変化を行い、それも晩年まで実験的にも行っていたことがわかる。ただ厳しい農村風景だけを描いていたのではないのがわかったし、ミレーの晩年の温かみも一段と好きになった。またミレーの為人といった部分にまで立ち入り解説がなされているので、ミレーの生涯や探究した観念といったものも知ることができ、短いがよくまとまっている。2015/01/15
asanosatonoko
5
著者の専門分野らしく、このシリーズ中一番面白い。ミレーへの思い入れが文章に情熱として上乗せされている。円熟期の作品しか知らなかったけど初期の作品の素朴さもいいものだと思う。2015/02/01
foxface
5
絵画や写真はオールカラーなので見やすいです。解説も会話形式なので堅苦しさがなく気楽に読めるのが良かった。個人的に「ヴェル・ヴェル」の慌てふためくシスターたちの絵がコミカルでお気にいり。ミレーは一体何を思っておばあちゃんをモデルにしたんだろう(笑)有名な落穂拾いは2種類あるとは知りませんでした。パステルカラーのバージョンもまた雰囲気が違っていいですね。2014/07/12
エイドリアン
5
名古屋ボストン美術館でミレー展がやっています。行く前にこの本を読んで予習しました。真面目なミレーが見えてきてじっくり観賞したいと思います。2014/05/05
takakomama
4
ミレーは、細部まで綿密に描きこむ、とてもまじめな人ですね。絵画に関心がなく、私に付き合わされて美術館に行く主人でも、ミレーの「落ち穂拾い」は知ってます。いつか、山梨のミレー館に行きたいです。できれば、桃の花が咲いている時に・・・2020/04/26