内容説明
全寮制の男子校・聖マカーリィ学院に通う饗庭怜は、三月のある日、学院の鐘楼から墜落した。墜落の後遺症で記憶が曖昧な怜は、自分が鐘楼に行った理由、墜落した経緯を探ろうとする。彼の周りで次々と起こる異変。誰もが疑わしい中、怜のまえに現れたのは、あまりにも美しい少年だった。事件の真相を鮮やかに解き明かす桜井京介、少年の日の物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちはや@灯れ松明の火
38
あなたに与えられた名はこの世に生まれついたことへの祝福。名を奪われた生きる屍が群れ集う赤煉瓦の学び舎、鳴り響く音を忘れた鐘が転げ墜ちていく躯を見ていた。雪に途切れた記憶、鮮血に塗れた追憶、名を隠した死神の鎌が断ち切るのは命の緒か。あなたに刻み込まれた名はその身を、その心を捕え蝕む呪縛。満ちていく硫黄の臭気、理性が変質した狂気、名を棄てきれなかった亡霊が地に堕ちていく様を、見ていた。幻の鐘が詠う、屍たちを弔う音色を奏でる。あなたが新たに手に入れた名は再び授けられた魂、やがて未だ見ぬ誰かを導く灯火となると。 2014/07/16
ダージリン
26
全寮制男子校マカーリィ学院を舞台に、主人公は事故で最近の記憶が無い。事故原因が自殺しようとしたのか、殺されそうになったのか。学校に復帰してみれば怪しい人々がごろごろ・・・ときめきます(笑)。そして中学生時代の京介が登場~うれしい♪2014/03/12
まかろん@大人腐乙女
19
桜井京介のシリーズに傾倒している者としては、チラッと彼の存在に触れられる機会が再びあるというだけで、嬉しいものではあります。が、…?期待し過ぎるとイタイ目に遭います(笑)ん~。今回がepisode0で、今後しばらくこの形式が続くなら続話に期待、かな?少なくとも1話完結のようなで、今回登場した彼らはもう出て来ないのでしょう。2015/02/15
coco夏ko10角
17
建築探偵シリーズ番外編、聖マカーリィ学院で工藤アキラが中等部一年生だった頃のお話。主人公は高等部二年生・饗庭怜(相羽礼)。工藤アキラが周りからどう見られていたか、あの校医が来る前の学院の様子がわかる。2018/03/03
Lwsika
17
さくらゆきを飛ばして読んでしまった、と焦ったが杞憂に終わる。北海道が出てくるとはいえ馴染みの景色とはほど遠い、火山近くのあの全寮制の男子校が舞台。桜井京介の名がどこに出てくるかと読み進めたら、学院内では偽名を使っていると知る。それでも彼の姿を見つけるのは容易い。予想より出番が少なく残念。建築探偵シリーズとは別物として読む方が良いかもしれない。2015/09/19