内容説明
「軍部が悪い」だけでは済まされない。松岡洋右、広田弘毅、近衛文麿ら70年前のリーダーたちは、なにをどう判断し、どこで間違ったのか――昭和史研究のツートップ、半藤一利さんと加藤陽子(東大教授)さんが、あの戦争を呼び込んだリーダー達(番外として昭和天皇)を俎上に載せて、とことん語ります。あえて軍人を避けての徹底検証は本邦初の試み! 開戦責任を改めて問う、白熱の歴史討論。
目次
第1章 広田弘毅(開廷に先立って 東京裁判と『落日燃ゆ』 ほか)
第2章 近衛文麿(天皇の次に偉い男 金はなかった、人気があった ほか)
第3章 松岡洋右(外務省「大陸派」 伏魔殿、帝国外務省 ほか)
第4章 木戸幸一(自称「野武士」、ゴルフはハンディ「10」 名家の坊やが抱えたルサンチマン ほか)
第5章 昭和天皇(初陣の日中戦争 勃発からひと月で海軍の戦争に ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さぜん
52
日本史の知識の無さを痛感。広田弘毅、松岡洋右、近衛文麿、木戸幸一。政治家や文官の戦争責任を問う。正直言ってお手上げです。軍部だけではなく、彼等がしたことがどんな罪なのか判断材料が私には無い。いつか再読できるよう頑張ろう。2015/09/29
さぜん
46
昭和史研究のツートップの2人が、戦争を呼び込んだ80年前のリーダー達を俎上に載せ、半藤氏が検察側、加藤氏が弁護側となり長い議論を交わす。歴史を動かした当事者が、どんな生い立ちで、どのように生き、考え、行動してきたかを知ると、権力者の者の見方しかできないのか、弱者の立場に寄り添えるのか、国民の幸せを真に考えている人物なのかが見えてくる。日本が戦争に突入していく過程は、歴史の教科書では数ページだ。そこから掘り下げるのは、自分の興味の持ち様と知りたいという欲求、そして2度と戦争は起こすまいという意思だと思う。2026/08/20
まると
27
日中戦争はなぜ泥沼化したのか。対米戦争はなぜ回避できなかったのか。現代史の泰斗といえるお二人が検察側と弁護側に分かれて当時の非軍人のリーダー(広田、近衛、松岡、木戸、天皇)の過ちを語り合うユニークな対談。中身が非常に濃く、興味深いエピソードが随所にちりばめられていた。意外だったのは加藤先生の松岡推し。三国同盟は英国敗北後の戦後処理でドイツをアジア分配から遠ざけておくため、日ソ中立条約は米国にアリューシャン列島の基地を貸させないためと聞くと、松岡を一刀両断にはできなくなる。歴史学者の深い読みにうらなされた。2023/11/01
ヨーイチ
19
半藤さんの対談相手の加藤さんは「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」という良書を出した歴史学者。本当に攻守を受け持って裁判しようとするのだが、浅学の身は物凄い量の資料に唯圧倒されるばかり。最後に昭和天皇についても、公正で緻密な判定を試みている。少し読んで、皆「アメリカの参戦」だけは無いと思っていた、ということだけはわかった。嗚呼何故其れなのに。意味不明に思えた三国同盟もドイツがヨーロッパを制圧した後の植民地争奪を見越しての事だったと言う話は納得。余談だか幼い王貞治を半藤ガキ大将がいじめていたらしい。2014/04/03
CTC
17
14年文春文庫、単行本は11年同社。半藤さんと加藤陽子さんが対談形式で昭和天皇、広田、近衛、松岡、木戸の5人の“政治的人間”の戦争責任を語るもの。加藤陽子については…過去著作内容に鼻持ちならぬ感想を抱き以後未読できたが…web記事で、師匠の伊藤隆がゼミ時代の加藤を「左翼丸出しじゃ具合が悪いと思って、隠していたんでしょうね」と回想しているのを読んで、偏屈なジジイばかりの世界で相当なご苦労をされてきたんだなぁと、刮目して相対しようとしているところだ。事実本書もいい読書になりました。2021/09/29




