ハヤカワ文庫SF<br> 無伴奏ソナタ〔新訳版〕

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ハヤカワ文庫SF
無伴奏ソナタ〔新訳版〕

  • ISBN:9784150119409

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内容説明

超大型SF映画《エンダーのゲーム》の原作短篇版など、全11篇を収録した傑作短篇集!キャラメルボックス代表・演出家 成井豊氏激賞!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

70
「奇想」と言っても良いくらいの想像力で描かれた後ろめたさと不安定さ、そして優しさによって構成されたポロネーズのような短編集。傑作と言われている「エンダーのゲーム」は「現実とゲームは違う」という意味なのだろうが、上官たちはフェアじゃないと思ってむかっ腹が立ちます。「王の食肉」の<羊飼い>の罪に対するあまりにも重すぎる罰に絶句し、「深呼吸」の理不尽さに天を仰ぎました。「死すべき神々」の永遠の命を持つ火星人の言葉に切なくなります。圧巻は、畳み掛ける様に続く、「磁器のサラマンダー」と表題作。淋しくて優しくて好きだ2014/10/03

ざるこ

58
とても好みだった。「エンダーのゲーム」試練からのあっけにとられるラストや「王の食肉」羊飼いなんて牧歌的な景色を想像させながらの残酷さ「深呼吸」スピリチュアルな話が世界規模の危機へなど次々と予想もつかない展開。快楽のために事故死を繰り返すとか便器に嵌まった赤ん坊とか人類を崇拝する宇宙人がいたり斬新すぎる。表題作は音楽の天才の人生。とても静かで美しい雰囲気が理不尽で残忍に展開し最後に感動させられる。お伽話風もスリルもグロさも宇宙もさまざま楽しめる中に人の深層や感情がたっぷりと描かれてるよう。哀愁感じる11篇。2020/03/18

ちゅんさん

28
同じ作者の短編集だが、訳者が三人というめずらしい作品。訳者が変わるとそれぞれの短編も雰囲気が変わる(気がする)。全体的に読みやすくて質も高い。なかでも表題作“無伴奏ソナタ”が頭一つも二つも抜きん出ている。“エンダーのゲーム”は荒削りながらも面白くて可能性を感じる。これが長編になるとどんな感じになるのか読むのが楽しみだ。2018/10/26

ふるい

23
これは…!素晴らしいSF短篇集だった…。人の生死をめぐる運命的なストーリーの残酷さ・美しさが、少しハーラン・エリスンぽいなと思って読んでいたら、「四階共用トイレの悪夢」はまさにエリスンを意識して書かれたとあとがきにあって納得(これは収録作の中でも一番エグかった)。「エンダーのゲーム」は長編版も読んでみようと思う。自分の好みとしては、ザ・SFな設定のものよりは寓話的な「王の食肉」「深呼吸」「解放の時」などが特に良かった。そして、「無伴奏ソナタ」…クリスチャンの悲しみに満ちた音楽が聴こえてくるようだ。超傑作。2020/08/01

アプネア

20
自由への跳躍に対する代償だとでもいうのか。濃密に噴霧されるタナトスが作中を漂う。残酷で道理が通らなくって、その上、切ない。寓話の理路整然としない、もどかしさを鋭く表現している。作風も幅があるが、白眉は表題作かな:管理社会で神童と判定されたクリスチャンは、2歳から一切の外界を遮断し、独自の音楽を創作する事を強いられる。ある日、バッハのフーガが録音された装置を手渡され…。禁止され代償を支払わされても、なお突き動かされる衝動。すべてを受け入れた上で、前に向かって進もうとする姿には万雷の拍手を送りたい。2020/03/04

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