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内容説明
日本語のおもしろさは、漢字なしには考えられない。漢字には、日本の文化や智恵が凝縮されているのである。たしかに、古代の日本にとって、漢字は中国からの借り物であったかもしれない。しかし、漢字は日本語をつくるためには必要不可欠なものであった。本書は、漢字の成り立ちからその歴史を振り返り、今日では使われなくなった古代の文字や日本独自の漢字「国字」などを紹介しながら、漢字のおもしろさ、奥深さを案内していく。(講談社現代新書)
目次
第1章 漢字は千変万化する(「漢字」という言葉 「文」と「字」 ほか)
第2章 すばらしい漢字のカタチ(「六書」という方法 象形 ほか)
第3章 音も変わっていく(音節がひとつしかない中国語 アクセントがないとダメ ほか)
第4章 解釈すれば、あら不思議(どのように物をみるのか 思い、邪無し ほか)
第5章 漢字と日本(日本語が書ける 万葉仮名の借音 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sabosashi
12
わたしたちの国語力、といわないまでも漢字力というのはどこから来ているのだろうか。 おそらく小学の国語の先生によってであり、先生を好きか嫌いかによって、漢字が好きか嫌いかも変わってしまうのかもしれない。 「こんなに漢字習っても、きっといつか無くなっちゃうに決まってるのに、なんで覚えなくちゃならないんだろ」 そんなことも呟いてた。 しかしそれでも、漢字の勉強には付いていくしかなかった。 ニホンの漢字とは何だろうか、と小さい頭を悩まし続けた。 2019/09/02
こだま
12
面白かったです。入門的な内容です。口が9つで「耳を覆いたくなるほどうるさい」という意味の漢字があるらしいです。漢字は毎日触れるものですが、勉強してみると奥が深いなと思います。2016/02/15
isao_key
9
漢字にまつわる様々な知識を興味深く教えてくれる。「秦の始皇帝が行った焚書坑儒によって『尚書』(『書経』)という孔子が編纂したと伝えられる古代の歴史書は滅びた。書物を焚くだけでなく、儒者を生き埋めにしたのは、彼らが『尚書』の本文を暗記していたからである。」ここを読んで、中国でも文を暗記することが重視さていたことが分かる。『イスラームとは何か』にアラブ諸国ではクルアーンとハーディスを暗記することが、多くの学校で現在も行われている。美しく明晰なアラビア語をマスターするには最良と考えられているからとの記述がある。2015/01/05
三森紘子
6
勉強と思うとつらいけど、趣味としての漢字はめっちゃおもしろくて楽しい。2015/10/13
きさらぎ
3
甲骨文字から篆書、隷書へ、そして印刷文化の産物である明朝体へ。漢字(字体)の成り立ちから始まり、中国語の「音」の話、日本における漢字の受容の話まで。漢詩を読み、吟じ、作ることは東アジア文化圏での教養(共通言語・コミュニケーション手段)でもあり、日本語の語感の訓練でもあり、そしてそれ自体が「遊び」でもあった。新書の上にあまり頁数も多くないのでちょっと物足りない面もありますが、その分さらっと読めます。また類書にあたって深めていきたいな。2015/01/13