- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
ヒッグス粒子誕生の秘密が一から理解できる本。何もないはずの空間がざわめき、「無限のエネルギー」を生み出す──。光さえ存在しない真っ暗闇の「無の世界」で、無数の粒子たちが生成・消滅を繰り返していた! 「質量の起源」と「宇宙の進化」に不可欠な「真空のエネルギー」とは何か? ヒッグス粒子誕生の秘密からカシミール効果まで、謎に満ちた空間のふしぎを、わかりやすく解き明かす。(ブルーバックス・2013年10月刊)
目次
第1章 真空には「構造」がある
第2章 真空から粒子を叩き出せ
第3章 真空が生み出す奇妙な現象
第4章 「力が真空を伝わる」とはどういうことか―仮想粒子の役割
第5章 「弱い力」と質量の起源をめぐる謎
第6章 真空はなぜ「ヒッグス粒子」を生み出したのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
19
少し前に読んだ「なぜ宇宙は存在するのか」は、とても面白かった。この本の中に「真空にもエネルギーがあります。実験で確かめられています」と書いてあった。これが不思議で、この本を借りて来るに。この本は難しい。最後までページをめくったけれど、分かったのは5%くらいかも(笑)。一生懸命分かりやすく書こうとしたことが読み取れるだけに、いっそう自分の脳みそが情けない。でも、結論として真空にはエネルギーがあるらしい。それも巨大なエネルギー、ノーベル賞のヒッグス粒子がここで役割を演じていた。物理学者はすごいと再確認。2024/02/23
calaf
18
タイトルからだけでは、素粒子論の本だとは思わなかったかも...まぁ、サブタイトルまで見れば何となくそういう雰囲気はありますが。それにしても、あの素粒子論をあまり数式を使わずにここまで説明し切っているのは、すごいです...2013/12/10
魚京童!
12
エントロピーは常に増大する。でもその増大に飽きちゃったから、地球を平に創ったんだと思う。2023/09/18
J
10
★★★☆☆ 一般向けと言うにはかなり難しくて、類書より遥かに踏み込んで説明しようとしている。一歩間違うと、「難しすぎて興味がなくなる」となりそうでいて、「わからないけど面白い」に踏みとどまってる感じ。何もない真空がざわついている、などと考えるだけで楽しくなる。2023/09/01
しろくまZ
10
場の量子論の入門書。本書の特徴は、前半部分においてカシミール効果について分かりやすい説明がされていることだろう。カシミール効果の実験的検証について、実験装置の概念図も示されている。ちなみにカシミール効果が実験的に確認されたのは1997年だそうである(割と最近)。後半は「ゲージ場の量子論」についての説明。つい最近の話題としてヒッグス機構にも触れられている。クォークの質量の起源がヒッグス場との相互作用はあまり関係なく(2%程度)、98%が「カイラル対称性の破れ」によるものだそうで、「へえー」という感想。2017/08/23