内容説明
独自の見地からがん治療に対する見解を発信し続け、2012年に菊池寛賞を受賞した近藤誠医師の抗がん剤論決定版！ 肺がんや胃がんなど、固形がんの標準治療とされる抗がん剤。だが、実は延命効果は認められない。認可取得を狙い、関係者が臨床試験データを改変する手口の数々を徹底論証する。抗がん剤が殺細胞薬として開発された以上、命を縮める毒性は免れない。それより、本当に必要ながん治療を自分で選ぶ力を身に付けよう！ 本書は2011年に刊行された『抗がん剤は効かない』に最新の知見を加え、タイトルを改めたものです。
目次
１章 抗がん剤は効かない
２章 対談：患者代表・立花隆、近藤誠に質す
３章 「効く」とは何か
４章 腫瘍内科医にだけはなるな
５章 なぜ錯覚するのか
６章 どんな毒性があるのか
７章 では、どうしたらいい？
８章 抗がん剤以外のがん対処法
補足 専門家と、さらに詳しく知りたい読者のために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きむこ
17
慶応医大放射線科医師の近藤氏が抗がん剤治療に対して真っ向から物申すシリーズ第2弾。医学用語がかなり多く半分以上斜め読み(>_<)抗がん剤で腫瘍が縮小してもそれは決して治ったわけではない。早く縮小する腫瘍は再発するスピードが速い。抗がん剤と併用するステロイドの恐ろしさ。などなどかなり過激に感じる内容ですが、どの意見もしっかりした臨床の検証の上で成り立っているみたいです。実際抗がん剤と戦う母を見守ってた時、抗がん剤に対してかなりの疑問を持っていたのでストンと心に響きました。2014/02/23
sas
16
抗がん剤には延命効果がなく、逆に縮命効果しかないという。がん細胞は正常細胞が変化したものであるため、がん細胞だけでなく必ず正常細胞にも壊滅的なダメージを与える。芸能レポーターの梨本さんが肺がん治療中にたった２か月で亡くなったのも抗がん剤によって命を縮めたことによるもの。しかし、製薬会社、医者が潤う「抗がん剤ワールド」の維持のために、今も抗がん剤はがん患者に使用され続け、苦しめ続けている。しかし、苦しんで死んでいった人は誰も文句が言えない。「ではどうしたらいい」の章を参考に、自分自身で考えていくしかない。2014/04/05
SHINO
5
近藤さんの本を読んで信頼できるなと思えるのは、自分が過去にゆってたことでものちのちにまちがえてたと思ったらきちんと訂正するとこがあるから信頼できる。抗がん剤で効果ある病気もありますとゆってるしね2013/10/30
キャッツアイ
2
これでもか、と言うくらい抗癌剤の無効性/害悪性が述べられていて、製薬業界とそれに寄生する医療機関の酷さにあきれてしまいます。初期に承認された高価で毒性が強く効果の薄い薬が基準となり、次々と無意味な抗癌剤が承認されていく悪循環と孤独な戦いを続けてきた著者に心から声援を送りたいと思います。2014/03/26
タツヤ
1
固形の癌に抗癌剤が効かないというのは、その通りだと思うが、健康診断を受けるなというのは極論で、癌に注目しすぎて、癌以外の疾患を無視している。書いてあることは著者の他の本と同じ。2021/04/22
