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内容説明
「国民栄誉賞」で見る昭和芸能史。
美空ひばり、長谷川一夫、藤山一郎、渥美清、森繁久彌、森光子。昭和・平成の大スターにして国民栄誉賞を受賞した6人。彼らの足跡を辿り、大衆とスターが織りなしてきた芸能史を紡ぎだした意欲作。演出家としてスターたちと直に接してきた著者が、スターがふともらした言葉、仕事に向かう姿勢、演技を離れたときの素顔などを回想し、その芸の本質に迫ります。美空ひばりはなぜ「下品」といわれたのか? 長谷川一夫の「科学的」な演技。知られざる渥美清の素顔。「戦争をしくじった」――森繁久彌が生涯抱えた陰影。等々、同時代の雰囲気を克明に回顧することで、6人の「傑物」が芸能史において、いかなる存在であったかも浮かび上がらせます。
目次
第1章 美空ひばり―なぜ、「下品」といわれたのか?
第2章 長谷川一夫―遅れてきた二枚目
第3章 藤山一郎―最後の国民的歌手
第4章 渥美清―寅さんに殉じた男
第5章 森繁久彌―しくじった男
第6章 森光子―非情の瞬間
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
midnightbluesky
5
取り上げられている人物は確かにどれも傑物であるが、既出のエピソード多し。2014/07/28
kokada_jnet
4
国民栄誉賞受賞者6名についてにミニ評伝&芸談。渥美清と森繁など。著者が仕事を一緒にした人のエピソードが、やはり面白い。藤山一郎は、真面目すぎる人なのか。この人の筆にしても、退屈な話にしかなっていない。2013/10/17
ギルヲ
2
国民栄誉賞を受賞した6人の芸能人の評伝。国民栄誉賞の表彰規定は「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃える」というものだそうで、納得の受賞者だなあと思えるし、芸能人じゃないですが、なぜ手塚治虫じゃなくて長谷川町子なのかという個人的疑問も解けました。関係ないですね。先日BSで美空ひばりが千昌夫の「北国の春」をカヴァーしているのを初めて見たんですが、これが凄かった。やっぱり美空ひばりは凄い。これもあんまり本書とは関係ないですね。すいません。 2021/01/20
ビーフハート
1
名前は知ってるけどその業績などは実はほとんど知らない、って人たちばかりだったので、特に突っ込んだ内容ではなかったけどけっこう楽しめました。それぞれにそれなりに見識のある人には食い足りない感じなのでしょうが、その分、あまり知らない自分には入門編として最適だったかな、と。2017/02/18
とくべい
1
国民栄養賞を受賞した芸能人、美空ひばり、長谷川一夫、藤山一郎、渥美清、森繁久彌、森光子の6人について、開局間もないTBSに入り、ドラマや娯楽番組の興隆の現場に立ち会ってきた鴨下信一が短めの評伝風に綴った新書。いずれも戦後芸能史の大立者だけに、とてもこの6人を一冊では語り尽くせないが、何気ない一行の寸評に、時代を共にした人の鈴樹感が溢れる。たとえば長谷川一夫の背中は、肉厚でいかにもセクシャルであったとか、渥美清の特徴は失われつつある日本人の美質を持つことにあり、それ故に「聖化」されたのだといったような表現。2013/11/17