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内容説明
「働く女性は、以前より生きやすくなったのか?」上野千鶴子さんの答えはイエスであり、ノーでもあります。1986年の男女雇用機会均等法、2000年代の小泉ネオリベラリズム改革によって「総合職」「一般職」「派遣社員」へと分断された女性たち。それには、グローバル化に適応したい経済界の要請もありました。家事や育児を背負いつつ、「男性社員のような」働き方を求められ、脱落したら「自己責任」。もはや「お局サマ」にすらなれない厳しい時代をどう生き抜くべきか。女性たちの変化を優しく、厳しく見つめてきた上野さんが説くサバイバル指南の書。全女性、必読!
目次
ネオリベ/ナショナリズム/ジェンダー
雇用機会均等法とは何だったか?
労働のビッグバン
ネオリベと少子化
ネオリベとジェンダー
ネオリベが女にもたらした効果―カツマーとカヤマーのあいだ
オス負け犬はどこへ行ったのか?
ネオリベ・バックラッシュ・ナショナリズム
ネオリベから女はトクをしたか?
性差別は合理的か?
ネオリベの罠
女たちのサバイバルのために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
97
格差社会の元凶は小泉元首相の構造改革から始まったと思っていたが、グローバリゼーションに伴うネオリベラリズム(新自由主義)は各国共通のものだった。自由競争により弱いものはどんどん切り捨てられていく。日本はかつて日本型経営(終身雇用・年功序列給・企業内組合)と日本型家族制度(専業主婦優遇制度)により安定を誇っていたが、91年のバブル崩壊後、長引く構造不況、デフレスパイラル、少子高齢化が今日まで続いている。ネオリベ改革により非正規労働者が増え、正社員のポストは少ない。年収の少ない男性は結婚もできない。2014/10/06
みゃーこ
72
「日本が泥舟ならば、さとい小動物が真っ先に舟から逃げ出すように、弱者である女たちは真っ先に逃げよう。国なんてその程度のもの。世界中のどこに居ても生き延びでほしい。サスティナブルよりサバイバルの時代。」(本文より)いや~相変わらずすごいお喋りババアだわ~。面白かったわ~。2014/03/30
GAKU
41
男女雇用機会均等法が定められてから、著書刊行の2013年の間で女性の労働環境はどのようになったのか、上野さんが考察した1冊。2022年の今読んでみても、当時と大きく変わっていないのではないかと感じた。まだまだ労働環境における男女差別って厳然としてありますよね。上野さんらしい的を得た指摘と、鋭い考察に興味深く読むことが出来ました。ただ全体的に同じような事実の列挙が、繰り返されていた点がちょっと残念ではありました。 2022/08/26
ヒデミン@もも
39
上野千鶴子さん高齢者のも仲間入りをされて、少し落ち着かれたのですね。それはとても残念な事ですが、この本は読み応えありました。新書サイズで800円。今時の軽い新書を読むよりずっと手こずりました。それもそのはず「文學界」に連載されていたもの。オス負け犬、カツマーVSカヤマー。主体は経済とジェンダーの関係が中心でしたが面白かった。男女雇用均等法が施行された時、短大で教鞭をとられていたとか。その時に出会いたかった。もし過去の私に会えるなら教えてあげたい。2014/10/02
Carlos
36
性別問わず、仕事のこと、お金のことを考えなきゃいけない人生は大変だ。 2024/02/24