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内容説明
釈迦がほんとうに伝えたかったこと。●釈迦は霊魂の存在をいかにとらえたか?●「人生は苦」とはどういうことか?●往生、仏滅、渡世の本来の意味とは? 神と仏の違いとは? 愛とは、苦とは、煩悩とは? 現代日本で常識のように考えられている思想、習慣、言葉の本来の意味を平易に解説。(講談社現代新書)
目次
第1章 ブッダとは何か
第2章 釈迦は人の道を説いたにすぎない
第3章 釈迦がさとった道理
第4章 身と心の問題
第5章 まちがった日本仏教の風習
第6章 誤用されている仏教語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
55
釈迦はとにかく医学的知識を用いて人の道を説いたことを知ってもらいたい。つまり彼の説法はきわめて科学的であり、現実的であり、体験にもとづき、日常的比喩をもって説くのが特徴/仏教というより釈迦自身の人間像が語られる章が印象に残ります。科学者であり哲学者であり実践者であったということでしょうか。その世界観の現代性に驚いちゃいます。2023/08/24
牧神の午後
9
葬式仏教といわれるほどにある意味世俗化した日本の仏教、それに対し、もともと釈迦のオリジナルの教えはどのようなものだったのか、という古都を解き明かした本。だからといって筆者も前書き後書きで繰り返し述べているように、決して既存の仏教を批判したものではなく、オリジナルの紹介、うーん、たとえていうなら、クラシック音楽で19世紀のロマン主義的演奏を肯定しつつ、オーセンティック演奏をしている方たちのイメージが近いか()(違)。三大宗教でありながら「神」ではなく「人」を重視した教えはやはり理知的だ。2014/02/17
マウンテンゴリラ
5
確かに釈迦の教えと現在日本で知られている仏教とは根本的に異なる。そのことについては私自身も少なからず承知していたが、元来、方便をもって教えを説くことや、諸行無常、すべての物事は移り行くということは、釈迦の教えにも矛盾しないし、むしろ原始仏教においても根本教義ではなかっただろうか。しかしながら、それを踏まえてもやはり、本書の言うように釈迦の教えに立ち返るべきとの主張には賛同できる。それは何故か。現代の僧侶が、伝統を受け継ぎ、それを伝えるための学識において劣化しているかどうかは、私には判断できない。→(2)2016/08/24
ドルーク
3
クリスマスを祝い、神社に行き、葬儀はお寺で、こんなにもバラバラに宗教を取り入れているのは日本だけである。そして、宴席では必ず酒を飲み、寺が家族との住居になるなど、釈迦の教えがことごとく守られていないケースが多いという問題意識。内容からは①仏教の考え方や教えー例えば、あらゆるものが繋がり合う衆縁和合の考え方や、煩悩の三毒ーむさぼり、怒り、愚かさについてなど②耳にするが意味は知らなかった言葉、「色即是空」など③極道、無学者、仏滅など、勘違いされている用語の由来など、勉強になることが多々あった。2017/09/23
舟江
2
若かった頃、確かトインビーの本だったと思うが、日本の仏教は他の国のものと違うということで、別の括りとなっていた。 具体的な理由は書いてなく、長年引っ掛っていたが、今回その棘がようやく抜けた。 また上座部仏教を是非見てみたいと思った。2015/09/30