- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
「体がだるくてボーっとする」「なかなか病気が治らない」のは年のせい? 定年後に元気がなくなってしまうのはなぜ? 実は「動かない」だけでかかる生活不活発病という病気があります。これは誰にでも起こる可能性があり、またうっかりしていると寝たきりにまでなりかねないこわい病気です。年を重ねてもいきいきと充実した生活を送るために知っておきたいことを、生活不活発病を中心に介護の専門家がやさしくかたります。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かっぱ
45
「生活不活発病(別名・廃用症候群)」とは何か。この本のタイトルにあるように「人は動かないと病む」ということ。「社会参加」が制限されて「生活機能」を使う機会が減ると「心身機能」が低下して「病気(生活不活発病)」になってしまう。「年だから」と言って年齢のせいにしていることも実はこの「生活不活発病」である可能性がある。宇宙飛行士が無重力状態という身体に負荷が掛からない中で生活していると「骨」や「筋肉」や「心臓」が弱ってくるのと似ている。「最近疲れやすくなった」と感じて横になることが多くなると危険なサイン。2018/02/19
めんま
29
怪我によって体を動かさなかったり、病後に過度に安静したり、生活の目的が無いから動かなかったりと原因は何であれ、体を動かさないことで筋力の低下や骨の弱化が引き起こされる。これを「生活不活発病」と呼ぶ。特に、高齢者に対しては、なるべく動かなくて済むようにサポートすることが多いが、それがこの病気を引き起こし、老人の生活の幸福度を下げてしまう。2021/07/29
うめ
23
優しさとは何なのか。何でもかんでも、してあげる、のではなくて、一緒に楽しむ。これに尽きるのかしら。上げ膳据え膳でころころ転がるよりも、一緒に色々するのが楽しいよねっていい合えたり、また色々一緒にしようね、て目標を立てて、これはお任せするからよろしくねって、頼む事も、頼られる事も大切なのね。与えるだけでも、受け取るだけでもよくなくて、バランス。病気や怪我をマイナスに捉えずに、バランスを状況にあわせてうまくとっていく、再構築ゲームみたいに思えたら楽しいのかな。人生は一度きり。どんな状況でも楽しんだもの勝ち。2015/08/26
あこ
19
生活不活発病とは廃用症候群のことだった。在宅では機能回復訓練というより、活動向上訓練という生活動作をよりよくするという視点で支援することが大切。リハビリテーションという言葉が医学の専門用語ではなく、権利・名誉・尊厳の回復という意味で古くから使われていた一般用語だったことや、生活不活発病研究の前史で、術後の早期離床・早期歩行が回復を早めるという先人の主張や戦争による病院不足や人手不足で、必要に迫られたことをきっかけに、「安静第一主義」が影を潜めたこと、更には宇宙医学との密接な関係など興味深く読了。2016/12/23
Cinejazz
18
退院後の長引く「安静」による心身機能の低下、定年退職後の社会参加の希薄や日常生活の怠慢からの動作機能の低下、これら「動かないこと」が原因として発症する<生活不活病>と呼ばれる〝怖い病気〟の予防と医療・介護のあり方について解説された健康啓発書。 手術を受けた後の歩行は、時間をおかずに早く始めることで、術後の回復が速く、寝たきりの弊害を予防する実証例のとおり、「動くこと」=「生きること」の「人間の本質」を忘れないよう、自身の生活様式に傾注することの大切さを教えられる。2022/09/26