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内容説明
コンクリートの割れ目で見かける雑草には、どこか、ドラマを背負っている風情がある。踏まれるものはもちろん、冬の寒さも乗り越えて生き延びるその姿に、おもわず応援してしまいたくなる。都会で出合えるたくさんの「無名の闘士たち」が見せる頑張りは、みごとな生存の知恵そのものだ。「みちくさ博士」の楽しい観察法を読むと、庭の草との付き合い方にも、きっと親しみが湧くはずだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
72
雑草に関する本で読みやすさでは一番だと思う。植物学的な専門用語も多数出てくるが平易な解説や例えでとてもわかりやすい。雑草という言葉は人間の都合、「望まれないところに生える植物」という定義にも納得。今まで思い続けていた雑草のイメージがこの本で払拭された。雑草駆除の特効薬についても載っている。もう少し写真や図があってもよいと思うがそれは図鑑などでカバー出来ると思う。図書館本なので手元に置きたくなりAmazonでポチった。2016/11/13
五右衛門
40
読了。相変わらず雑草をネタに我々の生き方まで教えてもらった感じです。縦に伸びるのではなく横に伸ばして生き抜く雑草もいるんだな。自分も上ばかり望むのではなく横(人と)の繋がりで生きていく道もある。勉強になりました。気になる作家さんですよね。又読みたいです。2021/09/28
Yutaka Matsuzawa
10
普段は厄介者扱いの雑草だが、著者の雑草へのポジティブな眼差しを読むと、俄然雑草へ興味が湧く。「都会の雑草」なので、雑草にまつわる東京の地名、名古屋の戦国武将の家紋、大阪の食べ物の考察は特に面白かった。野山には山野草だが、都会には雑草がある。まずは名前を覚え定点観察をしてみようかなと思った。〇2017/09/24
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
6
【ココロの琴線に触れたコトバ】環境にあわせて変化する力こそが、雑草の真骨頂なのである。2014/11/22
マカロニ マカロン
6
個人の感想です:B+。「雑草という名の植物はない」と昭和天皇がおっしゃったそうですが、雑草とは「望まれないところに生える植物」だそうです。よって、稲を生育している田んぼにはえたセリは雑草だが、山菜としてセリを栽培している田んぼに生えた稲は雑草となる。「温室育ち」の人は逆境に遭うとすぐに折れてしまいがちだが、雑草は日本では「雑草魂」のように育ちは良くなくても逞しく生きて何かを成し遂げた人(スポーツマンなど)に与えられる称号になっている。折角の雑草の本だが写真がまるでなく、雑草の特定には使いにくい本であった。2014/08/30