食の終焉 - グローバル経済がもたらしたもうひとつの危機

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食の終焉 - グローバル経済がもたらしたもうひとつの危機

  • ISBN:9784478007471
  • NDC分類:611.3

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内容説明

高度な食料経済の構築により、農産物や食肉、加工食品を一年中どこでも買えるようになった。しかし、低コスト・大量生産モデルを世界的規模に拡大することで、私たちはその恩恵だけでなく、負の要素も世界中に広めてしまった。その負の要素とは何か、このシステムは持続可能なのか、膨大な取材をもとに明らかにする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

25
考えがまとまらない。それほど大きすぎる問題が現在進行形で拡大している。「人間は、おいしく、安全で、安く、高品質のものを食べる当然の権利がある」。本書の読後、なおハッキリいいきれる人がいたら余程の詐欺師か、あるいは救世主だろう。何を言ってるか本書を読めば、同感を得られると思う。それほど本書の内容はシリアスだ。世界を動かしているといっても過言ではない「肉食」と云うシステム。そのシステムが大地を疲弊させ、病原菌をまき散らし、国々を混乱させ、環境を破壊した後、ついに人類は飢えてきえるだろう。楽天的な自分でも戦慄。2014/01/22

James Hayashi

20
想像はしていたがショッキングなタイトルにショッキングな内容だった。人類の進化とともに食の変遷と歴史など語られ出し、大企業による大量生産と生産者たちへの買い叩き。飽食化する人類に、大きさや成長の早さもコントロールし生産性を上げるが、それに伴い新たな病原菌の発生などネガティヴな面も拡大。人口増加に遺伝子組み換えなども語られるが、解決策は見えてこない。食の取り合いと大企業の企みで値段の高騰化がはっきり見えてくる。2016/04/24

UK

16
うわぁ。食欲をなくすような事実が次々と暴かれる。高度に構築された商業食物のシステム。安さと利便性を提供する代償に、世界各地の零細企業と食文化を破壊して均一化していく。鶏・牛・豚も食肉製造マシンとして、遺伝子操作され、餌と生育環境を高度に最適化されて不気味な肉の塊となる。激増する世界人口に対して、旧来の生産効率では食物が絶対的に不足する。破綻に向かって絶望的な加速をしているのか、はたまた人類の英知はこの矛盾を打開できるのか。世界の抱える食物の矛盾の一端を示されただけだが、近未来への懸念を抱くには十二分。2014/04/08

ジュール リブレ

16
世界90億人、そして、肉食化、いつまで、人は食べることが出来るのか。ルポライターらしく、緻密なファクトを、まとめた本。迫力あり。ただそこから先をどうするか、答えの出ていない問題だけど、そこで出てくる仮説が惜しい!2013/12/05

おおにし

16
食システムとは食料の生産・流通・消費を相互に影響する1つの大きなシステムとして考えること。我々が食するものはすべてこの食システムによって届けられるといってよい。より良く、より多く、より安くという食物に対する人類の過大要求によって食システムはグローバルに成長を続けたが、最早その限界にきている。異常気象、病原菌、人口爆発などで食システムはいつ崩壊するかわからない。今更食システムに依存しない自給自足生活に戻ることは不可能だが、何もしなければ確実に危機は訪れる。我々に食に対する意識変革を迫る一冊だ。2013/10/20

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