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内容説明
まさしく歴史的な転換点に立つ日本。
大震災を経てなおさら、経済・文化活動のあらゆる側面において根本的な変更をせまられるいま、この国に必要な「資源」とは何か?
マネーではなく、誇りと充足への道筋を―。
高度成長と爛熟経済のその後を見つめ続けてきた日本を代表するデザイナーが、未来への構想を提示する。
まさしく歴史的な転換点に立つ日本。大震災を経て、とりわけ経済・文化活動のあらゆる側面において根本的な変更をせまられる今、この国に必要な「資源」とは何か? マネーではなく、美を、幸福を、誇りを得るために、立ち戻るべきは「感受性」である──。つねに「ものづくり」の最先端をリードしてきた著者が、未来への構想を提示する。
目次
序―美意識は資源である
1 移動―デザインのプラットフォーム
2 シンプルとエンプティ―美意識の系譜
3 家―住の洗練
4 観光―文化の遺伝子
5 未来素材―「こと」のデザインとして
6 成長点―未来社会のデザイン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
115
「デザインのデザイン」著者第二弾。図書に2009年9月から2年連載した文章の単行本化。展覧会JAPAN CARの企画の顛末が不思議。「東日本大震災から」という章では、日本デザインセンターなどの取組。http://bit.ly/11Tqh0z 「311 SCALEというプロジェクトを始めました。演出しない/主張しない/世界の人々に分かりやすく/可能な限り正確にを基本姿勢とし、東日本大震災のデータ(地震・津波・放射線・電力消費等)を可視化する活動」岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2013/06/23
はっせー
83
原研哉さん。無印良品のデザイナーさんというイメージがあったため興味があり読んでみた。10年以上も前の本だが、色あせていないため読んでいて学びが多い。シンプルとエンプティー。シンプルとはものづくりによってその機能が最大限発揮できる形をいい、エンプティーとは最低限のものとそこにある余白が美しいものになっている。エンプティーとは「空」という禅の概念。この余白こそ私達が大事にしないといけない概念だと感じた。デザインについての考え方をしっかり知ることができるためぜひ読んでほしい本になっている!2022/09/19
mitei
47
日本の美意識こそが次の時代を動かすものなのだなと思った。2011/12/12
どんぐり
28
読書家の雑誌『図書』に連載した「欲望のエデュケーション」をまとめた本。テーマは移動、シンプルとエンプティ、家、観光、未来素材、成長点の6つ。「潜在する可能性を可視化し、具体的な未来の道筋を照らし出していくこと、あるいは多くの人々と共有できるヴィジョンを明快に描き出すことがデザインの役割」ととらえ、それぞれテーマに沿って未来への構想を提示する。とはいってもこの本、期待に反して面白みのないデザインの話だった。2014/06/06
Akihiro Nishio
22
飛騨に行ったとき飛騨産業の展示で筆者の名前を知り購入。飛騨産業のデザイナーかと思ったら、そういうレベルの人ではなく、日本を代表するデザイナーでした。ざっくりまとめれば、日本のデザインの強みはシンプルと未来素材。あと、観光面では豊かな自然。こうした強みを意識して世界で勝負できるという心強いお言葉。情報デザインの話しの中で出てきた瀬戸内国際芸術祭の話が面白かった。世の中にはもっとよくデザインされた方がいいものが山ほどあるね。様々な才能が出てきてほしいし、多分出てくるんじゃないかな。2019/07/07