内容説明
いま小学校の算数で「6人に4個ずつミカンを配ると,ミカンは何個必要ですか」という問題に,6×4=24という式を書くとバツにされる.かける順序は本来どちらでもよいはず.算数教育にまつわる問題点をよくよく考えてみると,かけ算や数の数え方には,意外にも深いものを秘め,思いがけない広がりがあることがわかる.
目次
目 次
まえがき
第一章 4×6 と 6×4 は違うのか
かけ算の式の順序が違うとバツになる/今の「かけ算」の教え方/昔の「かけ算」の教え方/マスコミで最初に話題になったとき/数学者はどう考えているか/以前の文部省は,はっきり言っていた/かつては「かけられる数」×「かける数」/「かける/かけられる」はまぎらわしい/量のかけ算では交換法則は成り立たないのか/「1 あたり量×いくら分」でも「いくら分×1 あたり量」でもどっちでもいい/量の世界の式には意味があるけれど……
第二章 九九の来た道
文科省が九九の表から期待していること/九九の表を見直す/「総九九」と「半九九」/九九表の読み方は全部で何通りか/歴史上現れた九九 その 1 「古代中国型(半九九)」/歴史上現れた九九 その 2 「近代中国型(半九九と総九九)」/『乳母の草子』のかけ算/歴史上現れた九九 その 3 「西洋型(半九九)」/中国に西洋型九九は無かったのか/『塵劫記』の九九は南蛮渡来か?/明治維新で九九は変わらなかった/歴史上現れた九九 その 4 「西洋型(総九九)」/「割り算九九」という最後の障害
第三章 なぜ 2 時から 5 時までは 3 時間で,2 日から 5 日までは 4 日間なのか
10 の真ん中は 5 なのか/2 時から 5 時までは 3 時間,2 日から 5 日までは 4 日間/時の流れは分離量か連続量か
参考文献
あとがき
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びすけっと
がっち
kenitirokikuti
樋口佳之
hippos