内容説明
遺跡発掘アルバイトの古屋は、古代史の学芸員・呉から強引に誘われて出雲市に近いD町を訪れた。ここには“鬼の墓”と呼ばれる古墳がある。地元大学の古代史同好会メンバー5人と古屋たちの周りに見え隠れする黒ずくめの眼帯の男。古墳の石室から“鬼の頭蓋骨”が消失したのをきっかけに、不吉な事件の連鎖が起こる。しかし、そんな時に頼りの考古探偵・一法師はここにいない……。大好評、考古学ライトミステリ第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はらぺこ
57
ジオンのモビルスーツやったらオモロかったのに(笑) 桃太郎の鬼のモデルが産鉄民って話を聞いた事があるけど、誰が言い始めたんやろ?2013/03/21
ひめありす@灯れ松明の火
46
前の巻に比べると読みやすさも格段に上がり、これにて一安心。と思いきやう~ん、トリックが……。久々にこんな樞廻しのトリックを視ましたよ。古屋くんが師匠の一法師先生を思い出しながら一生懸命不器用なりに推理をするのだけれど、なかなか惜しいところまで行っているのに、ゴールまでたどり着ききれないその惜しさが可愛らしいですね。鉄鋼民=鬼という考えが随分自分の中で明確になっていたので、それがすべてではないというのはそうだ、何もかも信じ切っちゃいけない、自分の頭で考えなきゃ、ともう一度思いました。それにしても表紙が……!2012/03/13
nins
28
アルバイト古屋君がまたもや巻き込まれた事件。今回の遺跡は山陰地方の古墳。地元大学の同好会メンバーと一緒に遭遇する怪しい影。前作が余りにもな展開の凝縮だったため、少し様子見なところもあったが、2巻はまだ余裕がある。ミステリにとっては王道ともいえるクローズドサークルで起こる殺人事件。探偵役の一法師全が不在という副題の通りの展開。呉が探偵の役割を演じていく。古屋君はあたふたと事件に巻き込まれ役。パッとしなかったのは、千装文化財研究所メンバーも出番がなかったりしたのもあるかと。固定メンバーの深堀が読みたいところ。2011/09/08
miroku
18
産鉄民幻想に軽く一撃。考古学ライトミステリーと銘打ちながらも、常にこの一撃を忘れない姿勢が良い♪2013/04/10
藤月はな(灯れ松明の火)
13
(主人公についての毒舌感想ですので好きな方は注意してください)自分で考えるようになったものの古屋君の自分の主観のみで物事を捉えているのは相変わらずでした。学問は難しくても客観的視点が必要であり、主観は事実や情報を誤って選別し、捻じ曲げる可能性があると言いますが古屋君はそれを体現していて張った押したくなるほどいらいらしました。自分だけが孤独だと思い込むことは嫌味で自己憐憫して酔っているだけにすぎません。今回は呉さんが人間味があったのが素敵でした。そして笹野さんは幸せになってくれることを祈らずにはいられません2011/08/23