文春文庫<br> いのちなりけり

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文春文庫
いのちなりけり

  • 著者名:葉室麟
  • 価格 ¥652(本体¥593)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784167781026
  • NDC分類:913.6

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内容説明

あのとき桜の下で出会った少年は一体誰だったのか──家同士の因縁がひと組の夫婦を数奇な運命へと導く。“天地に仕える”と次期藩主に衒(てら)いもなく言う好漢・蔵人と“水戸に名花あり”と謳(うた)われた咲弥。二人は夫婦となりながら結ばれぬまま、たった一首の和歌をめぐり、命をかけて再会を期すのだが──。水戸光圀公と将軍綱吉の関係が緊張してゆく時代、思いがけず政争の具となりながら、懸命にそして清々しく生きる武士の姿を描いた力作長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

270
清々しいまでの一途、哀しいほどの純愛!相手を想う究極の姿を描いた傑作❗親が決めた縁談を受け入れぬ美しき新妻咲夜が夫に告げた『あなたがこれぞとお思いの和歌を聞かせるまで寝所はともにすまい』という無理。拒絶である。夫の雨宮蔵人とは疎遠の道を歩むことに!長年互いに会うこともなく、しかし互いは『あなたに命を捧げます。そしてあなたを命懸けで守ります。例え何度生まれ変わろうとも!』現代ならば設定から失笑の的であろう。帝と将軍の諍い、権謀術数の世の狭間で決して報われぬ純愛に身を捧ぐ互い!いのちなりけり。嗚呼珠玉‼️🙇2019/09/18

遥かなる想い

118
元禄時代に生きた蔵人と咲弥の物語である。 全編に漂う 抒情的な雰囲気が心地良い。 水戸光圀、柳沢吉保など 著名な人物の 登場が 元禄の雰囲気を醸し出すのだが… 正直 登場人物が多く、発散しがちな展開が 少し残念…昔ながらの一途な恋のお話だった。2022/07/29

ふじさん

98
再読。葉室麟の作品の中では好きな作品の一つだ。鍋島藩と龍造寺の因縁が一組の夫婦(蔵人・咲弥)を数奇な運命へと導く。雨宮蔵人と咲弥は、一つの和歌をめぐり、命をかけて再会を期すのだが、幕府・水戸藩・鍋島藩・朝廷が絡んだ大きな騒動に巻き込まれ、波瀾の人生を歩むことになる。水戸光圀、綱吉、柳沢保明等の実在の人物が登場し、男女の恋の話だが、スケールが大きく、ストーリ性も高く、展開も速く、読み応え十分。蔵人と咲弥の人物像も個性豊かで魅力的で興味が尽きない。 2021/11/12

じいじ

96
この小説、2008年度・下期の「直木賞」の有力候補だったそうである。(3年後の2011年に『蜩ノ記』で悲願を達成)本筋は、小藩の重鎮の娘である、凛とする佇まいの美人咲弥と青年武士蔵人の恋物語だが、裏で藩の存亡を賭けた暗躍が繰り広げられます。読み終えて、この作品「古今和歌集」など和歌の素養があれば、もっと面白いのだろうと、その素地のない自分を悔やんだ。その面では少しばかり、私には荷が重い作品だったが、若い二人の恋物語は、そこそこにに堪能させていただいた。2022/09/07

レアル

94
物語の中心にあるのは一組の純愛夫婦物語。しかしそのサイドにあるのは佐賀鍋島藩内の確執や島原の乱に由来する復讐譚、綱吉と水戸光圀の対立等が描かれいる。そして極めて簡潔に時代背景を書き、ストーリーに結び付けていく。鍋島藩に疎いせいか、登場人物が多く、物語が重層的に入り込んでいるせいか、少々混乱気味。命がけの和歌の奥深い事。。2014/07/17

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