岩波文庫<br> 完訳統治二論

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍
  • Reader

岩波文庫
完訳統治二論

  • 著者名:ジョン・ロック/加藤節
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 岩波書店(2013/11発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003400777

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

イギリス社会が新興の中産階層の力で近代社会へと脱皮した時,その政治思想を代表したのがロック(1632-1704)であった.王権神授説を否定し,政治権力の起源を人びとの合意=社会契約によるとした本書『統治二論』は,アメリカ独立宣言の原理的核心となり,フランス革命にも影響を与えた.近年のテキスト考証に基づく,全篇の画期的新訳.

目次

目  次
   文庫版への序
   凡  例

 緒  言

 前篇 統治について

 第一章 序  論

 第二章 父親の権力と国王権力とについて

 第三章 創造を根拠とする主権へのアダムの権原について

 第四章 神の贈与を根拠とする主権へのアダムの権原について――『創世記』第一章二八節

 第五章 イヴの服従を根拠とする主権へのアダムの権原について

 第六章 父であることを根拠とする主権へのアダムの権原について

 第七章 ともに主権の源泉とみなされている父たる地位と所有権とについて

 第八章 アダムの主権的な君主権力の譲渡について

 第九章 アダムからの相続を根拠とする君主政について

 第一〇章 アダムの君主権力の継承者について

 第一一章 継承者は誰か

 後篇 政治的統治について

 第一章 序  論

 第二章 自然状態について

 第三章 戦争状態について

 第四章 隷属状態について

 第五章 所有権について

 第六章 父親の権力について

 第七章 政治社会について

 第八章 政治社会の起源について

 第九章 政治社会と統治との目的について

 第一〇章 政治的共同体の諸形態について

 第一一章 立法権力の範囲について

 第一二章 政治的共同体の立法権力、執行権力および連合権力について

 第一三章 政治的共同体の諸権力の従属関係について

 第一四章 大権について

 第一五章 父親の権力、政治権力および専制権力について――総括的考察

 第一六章 征服について

 第一七章 簒奪について

 第一八章 暴政について

 第一九章 統治の解体について
   解  説――『統治二論』はどのように読まれるべきか
   索  引
   原  注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かわうそ

40
「自由こそが他のすべてのものの基礎である」P313 つまり、人の自由を侵害するものは殺されても文句は言えないということになります。人の自由を侵害するものがそのものの生命を奪わないとは限らないからのです。つまり、共通の上位者がいない場合、両者において戦争がなされますが、その代わりに処罰という制度が作られたことからすると、処罰とは共同体における共同体の構成員に対する戦争であるともいえます また、本書においてロックはホッブスが自然状態と戦争状態を混同しているとして批判しているがそもそも自然状態から戦争状態に移行2022/11/12

KAZOO

39
完訳ということで従来、岩波文庫版では後編しか訳されていなかったのを前半も入れることにして新訳を行ったようです。前半はやはり政治というよりも宗教的な側面からの分析で読んでいても政治というよりもモラル的な側面が多いと感じました。やはり後半は読んだこともあったので読みやすくわかりやすくなっています。王権神授説を否定していて近代政治思想の根底となった本書はやはり政治思想史では必読文献なのでしょう。2014/12/03

おせきはん

33
王権神授説を否定したうえで、権力の源泉が人々の合意にあるとする考えのもとに統治のあり方を一つひとつ丹念に積み上げて論じる過程は、読みごたえがありました。2023/04/10

加納恭史

32
ウンベルト・エーコ著「薔薇の名前」でカトリックの修道院の内部争い、フランシスコ会とドミニコ会の抗争を描いているが、ジョン・ロックの話があったので、気になっていた。この本「統治二論」を開いてみた。政治論なので難しいと思っていたが、いざ読んでみると案外に論旨が明解で読み易いので驚いた。1690年に出版されて以来、読み継がれてきた政治学史上の第一級の古典。大学教育における政治学への基本的な入門書の一つ。近代ヨーロッパにおける啓蒙主義やリベラリズム、立憲主義やデモクラシーを論じる際に何より引照基準となる正典。2022/06/20

びす男

27
主権在民論、革命権などを説いた代表的書物の一つ。「二論」とあるように、二つに分かれている。前半は「パトリアーカ」に書かれていた王権神授説への論理的反駁、後半は各人に適用される自然法に則った主権在民論の展開にあてられている。 ロックの痛烈な批判は王権神授説の弱みがピシッピシッをつき、専制政治を支えているかに見えた論理的支柱が音を立てて崩れ去っていくような臨場感を覚えた。ただ、彼も「自然権」の根拠に「神の意志」を据えており、抽象論に頼らざるをえない主権在民論の限界を見せられた気もする。 あとで書評かきます。2014/06/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/556056
  • ご注意事項