内容説明
ロシア語会議通訳、エッセイスト、作家として56年の生涯を走り抜けた米原万里さんのもうひとつの顔は、毛深い大家族(猫5+犬3)の“慈愛深き母”でした。前作『ヒトのオスは飼わないの?』の続きと、雑誌に掲載されたエッセイを集め、一周忌に合わせて2007年5月に刊行されたのが本書です。ご両親のことや米原家のルーツに触れる話など、しみじみとしたタッチの作品が揃いました。タイトルは、生前ご自分で書かれた「私の死亡記事」というエッセイ(本書収録)につけられたものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
46
前作を読み、その後の毛深い家族たちのことが気になったので続編を読む。米原さんの猫犬奮闘記の続きと後半は著者の両親について語られたエッセイを収録。前作にあとがきがあったので大筋は分かっていたが、改めて詳しい内容を読むとまた様々な出来事があったんだなあと。ソーニャが出産し、その子猫たちの振る舞いが何とも堪らない。犬のゲンへの思いからとった行動は米原さんらしい。エッセイが途中までだったのは残念だが、彼ら彼女らのその後が書かれていたので満足。階段で食事をする猫たちが変わっていく写真と手書きメッセージが良かった。2018/11/16
貴
24
鎌倉に、引っ越しされて。猫や犬と楽しく暮らしている、あまりにも幸せそうだ。週刊文春に連載を最後までされているのが、とても切ない。若くして癌にかかり、希望や絶望が繰り返し書かれいいるエッセイ 、一生よむことが、できないかもしれない。2023/12/18
Tomoichi
22
前半は著者の飼い犬飼い猫のお話。動物嫌いなのでこれ間違ったかなと読み始めるが引き込まれる。愛情に人間も動物もない。後半は著者の人間の家族のお話。彼女が「諸君!」に文章を書いていたのは知らなかった。購読していたのに。。。2018/05/08
ちゃま坊
21
人に言われて読んだエッセイ。前半は保護猫保護犬の話。自分に似た人物が出てくるが私ではない。後半は生い立ちと通訳の仕事に関わること。15年ほど前の本だが、ロシアの専門家らしい。作者存命であれば、今のウクライナ侵攻についても何か語っていただろう。そうか井上ひさしとリンクしている人か。この作家さん奥が深そう。2022/05/01
たまきら
20
敏腕タクシー運転手さんの連絡先が欲しい…。読後の最初の印象ががこれです。犬猫への偏愛にひく方もいらっしゃるでしょうが、自分、周囲にお客さんより猫を優先にしている感があるカフェや(いわずとしれた)、里親へFBIもかくやと思われる捜査を徹底している保護団体があるので「あはははは!」ですよ。長生きされたらさぞや「訃報」通りのこまったばばあになっていただろうに。残念だなあ。2017/03/20