講談社現代新書<br> がんを生きる

個数:1
紙書籍版価格
¥924
  • 電子書籍
  • Reader

講談社現代新書
がんを生きる

  • 著者名:佐々木常雄【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 講談社(2015/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062880305

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

がん医療を自己決定しなくてはいけない時代。手の打ちようがなくなったあと、進行がん患者は残りの時間をどう送ったらいいのか? 希望をもって日々を過ごした患者たちは、どう考えたのか? 告知マニュアルの落とし穴、「死の受容」の困難、日本人の宗教観とホスピス、同意書の功罪――ベテラン化学療法医が経験をもとに、真摯に問いかけます。

目次

プロローグ がんと向き合わなくてはいけない時代
第1章 がん告知の歩み
第2章 寿命なんて知らないほうがいい
第3章 緩和医療で気になること
第4章 日本人としての心
第5章 死を考える
第6章 自分の死、他人の死
第7章 絶望の奈落から這い上がるヒント
第8章 短い命の宣告で心が辛い状況にある方へ―奈落から這い上がる具体的方法

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

90
「がんを生きる」…がん告知、治療、緩和について、著者の葛藤が記されています。患者に病名を伝えず励まし続けた時代から、患者本意の治療が始まり、治療法がなくなると死を告げる時代となった。それが本当に患者の心に寄り添っているのだろうか。医師としてどう向き合うべきか、できることは他にないのか、著者は、治療だけでなく患者側からの心のケアを深く考えています。生きるとは死ぬとは何か、余命をどう生きるのか…生きていてほしい。私は応援しています。私たちはいつもあなたの側にいます……医師の真摯な考えが、強く印象に残りました。2019/07/04

13
誰しも死ぬときは1人だ。死と向き合うのはどんなに怖いだろう。何度生きたいと思うだろう。自分はなんて無力なんだろう2015/02/28

しろくまZ

7
2009年の著作。著者はがん・感染症センター都立駒込病院院長(当時)。21世紀に入り、医師から患者に対して、がんの病名や余命の宣告が普通に行われるようになってきた。そのような現状に対して患者側が対応しきれていないのではと著者は懸念を示している。その理由として、日本では確固たる信仰や宗教心を持った人が少ない事、(特に)若い患者に対する宣告はダメージが大き過ぎる事等が述べられている。著者の意見全てに賛同する訳では無いが、臨床でがん患者と向き合う医師としての著者の良心や誠実さ、あるいは苦悩を十分に感じた。2015/04/19

オランジーナ@

5
がんを生きるという題だけれど、宗教なき時代にどう死を考えるかっていう方がしっくりくると思った。結局のところ、健康な時に考える死のイメージといざ自分が末期がんになったときとでは死のイメージは変わってくる。あのキューブラーロスでも穏やかに死ぬことは出来なかった。(p173)死というのは必ずしも受容しなければいけないわけではない。生きたい生きたいと思い闘病生活を続ける患者のほうが多いと著者は言う。今年初の良書かなぁと思いました。2016/02/11

tamlyn

3
著者は、駒込病院(がん治療で有名)の医師で、キューブラー・ロスの「死の受容の五段階」に疑問をもっている。通常、がん患者は自分の死を5段階の心の変化を経て受容すると言われるが、実際は最期まで受容などできない。宗教をすてた現代で、死を宣告され、そこから這い上がるにはどのような方法があるのか、という内容。明確な答えはでていないが、自分の頭の中のことを紙に書く・誰かに話すことで道が開けるのではないかと締めている。文章があまり上手くなく、読んでいてイラッとする部分もあるが、良書であると思う。2010/05/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/414403
  • ご注意事項