カラーひよことコーヒー豆

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カラーひよことコーヒー豆

  • 著者名:小川洋子【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 小学館(2012/03発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784093423816

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内容説明

ささやかな日常から真理を見いだす作家の目

『博士の愛した数式』『ミーナの行進』などで知られる小川洋子さんのエッセイ集。

インドとドイツの区別がつかなかった子供の頃。「君、明治生まれ?」とボーイフレンドに揶揄された学生時代。
身近なエピソードからはじまり、単行本にしてたった5ページ弱で人生の真理にまでたどり着く展開は、作家ならではの発想の豊かさゆえ。
そんなエッセイの醍醐味を堪能させてくれる29の掌編が詰まった、宝石箱のような一冊です。

収録作品の多くは、ファッション誌「Domani」に連載されたもの。
小説を書くとき、登場人物の職業を最も重要視するという著者が働く女性に向けるまなざしは、温かな励ましに満ちています。
日々忙しく働く中で、つい“ドラマ”を求めてしまい、平凡な日常を退屈なものと思いがちですが、繰り返されるその日常こそがかけがえのない幸せなのだと気づかされます。

仕事、プライベートで、ついがんばってしまう女性たち。
そんな彼女たちに「今日は元気を出さなくてもいいかなと感じたときに読んでもらえたら」と小川洋子さん。
ふとたちどまり、肩の力を抜いて、自分自身を見直す--そんなきっかけをくれるエッセイ集です。

目次

世界一孤独な人
幸福なお化粧
思い出からやって来る人
働く人の姿
大人の女性とは
本物のご褒美
黙々と労働する人
言葉の天使、通訳という仕事
人と人が出会う手順
神様の計らい〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひめありす@灯れ松明の火

80
『一日一冊の会』でちょっと噂になっておりまして、末席に連なる物としてはこれは読まなくてはなるまい、ということで読みました。小川洋子さんはこの間『最果てアーケード』を読んだだけなのですが……。粗末なスプレーを吹き付けられて、長生きできないことがわかっているカラーひよこ。年老いた犬の耳の中にあるコーヒー豆。生と死と、儚い物と生き延びた物と。他の誰かにはがらくたなのだろう。夜が明けた後に見る夏祭りの夜店は妙にしらけていて。ひよこは斑に染まって弱って。でも、その色は何より鮮やかに心に残って、今の私を形作っている。2012/12/24

nyanco

53
もっと独特な雰囲気のエッセイを描かれると思ったら、あれれ?お洒落な『Domani』の連載だったんだ、納得。月に一度、こんな素敵なメッセージを大人の女性である小川さんから贈られたら素敵。とてもふんわりとした気持ちになれるエッセイ集。でも、これぞ小川さんでしょ、と感じたのは冒頭の『世界一孤独な人』と『ジュウシマツの芸術』これからタクシー無線とジュウシマツの鳴き声は、私の中で今までとは違ったものになることは確実。こうやって、世界を広げてもらうのは読書の楽しみのひとつ。2009/12/19

ミナコ@灯れ松明の火

52
なんとなく心に抱えてはいたものの表すには適格な言葉が見つけられなかった気持ちを、こんなにも明確に、しかも美しい言葉で表現してくれる小川さん。通訳さんのことを「言葉の天使」と仰られていたけれど、言葉の神様に愛されたのは小川さんも同じこと。読んだだけで自分のガソリンが満タンになったような気分です。決して主役ではないそこかしこにあるものに対する敬意や愛情は、まるで何者にもなりきれないしがない自分へのエールのようで本当に励まされた。ずっと手元に置いておきたい一冊。2011/09/13

ぶんこ

46
とても謙虚な人柄が伝わってきました。「黙々と労働する人」で、そこに気が付く小川さんに感嘆して、通訳の事を「言葉の天使」と表現する感性。 そして「結晶のような個性」の中で、五十嵐文男さんのファンとあって、嬉しくなってしまいました。、私も五十嵐さんの大ファンでしたから。 エッセイが、誰かの心に届いている。 自分の仕事は決して一方通行ではないのが幸せと言ってくれる作者。 素敵な本でした。2014/05/27

Rosemary*

44
小川洋子さんのお人柄がよく出ていて、とても読みやすくて、共感するところ多い上、それでいてクスッと笑えるところや涙ぐむ場面もありたのしめました。愛犬のくだりでは、自分も似た経験がありついつい入り込んでしまった。2014/05/06

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