内容説明
金儲けを第一主義に、敵対的TOBなどで世間の注目を集める相馬ファンド。相馬との念願の取引にこぎつけた外資系証券会社の広田美潮だったが、買付を依頼された銘柄は、皮肉にも幼い頃自分を捨てた父の音楽会社だった。また相馬だけでなく他三社がTOBを仕掛けてくる異常事態発生。生き残りをかけた熾烈な戦いが始まった。金儲けは悪か? 企業の価値とは何か? 日本経済の希望を書き続ける著者渾身の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
29
時期的にはライブドア事件とか村上ファンドとかの話。『ハゲタカ』が既成概念を壊すヒーローものとして構成されているのに対し、こちらはいい意味で地に足のついたメロドラマです。M&A用語を呪文みたいにして遊ばないのは好感が持てるんですが、インサイダー取引をすることへの登場人物の葛藤がほぼ伝わってこないのは物語を盛り下げたかも。説明は上手ですっと頭に入ってきます。2020/04/19
tolucky1962
16
幸田真音さんの本はやはりおもしろい。2006年に連載されたものがベースでライブドアや村上ファンドなどを基にしているようです。TOB株式公開買付けによる企業買収とそれに乗じて動く魑魅魍魎。そこに訳あり親子の情がからむ。幸田さんならではの迫力あるタッチで描かれる。モノ作りと金融、企業がだれのものか、考えさせられる。2016/09/10
α0350α
11
ハゲタカシリーズ再読一気読みの勢いで他の企業買収小説にも手を出してみようと思って読みました。面白かったんですが、何か微妙な結末ですね。2015/07/20
redmove
5
投資ファンドの社長相馬顕良が計画した音楽会社の買収に外資系投資会社の社員広田美潮が自分を捨てた父親のコネを利用して加わっていく姿を描く経済小説。ホリエモンや村上ファンドを思わせる内容。それなりに面白かったが、消化不良気味で期待したほどでもなかった。2016/01/09
zushhy
5
村上ファンドがモデルとおぼしき架空のファンドを巡って、M&Bの錬金術をわかりやすく、当事者気分で読ませてくれます。それにしても、ビジネス・パーソン(特に女性)への要求水準が高い…。2014/08/19